嫉妬 ページ26
この話の炭治郎は無自覚塩対応炭治郎です
『見合い話…は、…その。嫌…です……』
そのたどたどしいワガママが彼女の親に届くはずはなかった
彼女、ブラックコーヒーよりも
苦味が強くて、砂糖が用意されていない恋を
諦めきれないでいるのだが
その健気な姿を不憫に思ったお母様が
色とりどりの男達と見合いさせるのである
曰く、腰を低くして頑張る娘が可愛すぎて
それでも一向に報われないので寂しいとのことである
しかもご令嬢のなかでは珍しい献身的な性格。
必死にワガママを我慢していたからか
自分に自惚れていない、健気な性格が花開いた
おまけに恋は乙女を可愛くすると言葉通り
美貌に文句はつけられないのである
はっきり言って世の男が放っておくわけがない
気乗りしないわと笑みを浮かべつつも
美しく仕立てられてはどんな男も見惚れてしまう
こぞって集まってくるのも仕方のないことだ
待ち合わせ場所は甘味処。
黒髪をまとめて紅をさした唇は憧れの的となり
口に運ばれる餡蜜は嫉妬の対象となる
その姿は昼下がりに煌々と輝いてみえた
『こんにちは…ずっと前から今日の日を心待ちにしておりました』
リップサービスも甚だしいものである
その瞳は憂を帯びた紫陽花を咲かせていて
つまらなさげに下を向く姿が
憂鬱だと言いたげであった
しかし初対面の男はその姿さえもたまらなく可愛らしく感じるのである
鼻の下をのばす女よりも
少し気乗りしない風味の女のほうが
情緒を保っているというのには賛成しよう
軽く世辞を言ってから
隣に腰掛けて話すと案外、楽しいものとなる
気があう、というのが正直な感想であろう
それを遠くで不機嫌そうに眺める男がいるのである
竈門「誰これ構わず、誘惑するとはふしだらな」
我妻「はいはい。それ八回目」
竈門「女として慎みを持つべきだ!」
我妻「それ、九回目」
竈門「大体、好きだなんだ言っておきながらあの男と逢い引きだ!俺は馬鹿にされているに違いないぞ!?」
我妻「断れなかったんじゃないの?分かったらもう行くよ」
竈門「本当にムカつく」
我妻「それさぁ…嫉妬でしょ?」
竈門「嫉妬なんてするはずないだろ!あんな、男にニコニコして…!いい感じの雰囲気を周りに見せつけている女なんかに!」
我妻「俺には普通に見えるけど」
竈門「それは善逸がどうかしてるんだ!」
勝手に拗ねている炭治郎を見て
こいつの恋愛回路死んでるなと
先が思いやられる善逸であった
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ぬる - ゆきぽん。さんの作る作品大好きです!とくに竈門夫婦の物語は大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 7767f9a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
神美 - 本当に大好きです!!ずっと応援してます!!毎日毎日更新を持ってますよ!!頑張って下さい!!!大好きです!! (2019年11月17日 15時) (レス) id: 4d56545640 (このIDを非表示/違反報告)
プリン星人 - ああああああああ!!好きいいいい!なんなのこれ!!すっごいすきなんだけどおおおお!?更新頑張ってねえええ!! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 0fdbe899ee (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!!毎回本当に楽しみです(o>ω<o) やらかした炭治郎… お父上カッコ良さ気…! お嬢さんの長年の努力と…今度は頑張り屋な炭治郎の前途多難な努力…どうなるのか、すっごく気になります!!これからも応援しております♪ (2019年11月2日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
やの あかね(プロフ) - 一難去ってまた一難、ぶっちゃけありえない。(だがそこがいい) (2019年10月31日 23時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきぽん | 作成日時:2019年10月8日 1時