「恋」っていうから「愛」に来た【鬼滅の刃】

続き ページ24

時透「この服は敵に動きを予測されないように…」

「考えられてるんですね」

時透「なにか好きなものがあれば買ってあげてもいいよ」

「大丈夫です」

なんてもどかしい二人であろうか

無一郎も無一郎で塩対応の時期のハンデが来ているのであろう

昔、何回も振られたせいか

最近は全く好きだと言わなくなってしまった

その慎ましい唇から好きという可愛らしい言葉が

出てくるのは胸がなるのだけれど。

善逸の言葉を二人は盲信していた

善逸渾身のミスである

そのすれ違っている二人を見て

気を利かせてお嬢様はフォローを入れるのである

『太っ腹な人はすごくかっこいいと思います！』

違う！お嬢様！違う！！！

その言葉は椿さんが言うから意味があるのであって

無一郎はお嬢様に言われても嬉しくないのである

心外という顔をした無一郎に

二人は驚いてふためいた

気を損ねてしまった！と二人は顔を見合わせる

するとタイミング悪く、これまた不機嫌な炭治郎が

話しかけるのである

竈門「俺もこれくらいなら買ってあげるぞ」

『遠慮します！』

竈門「飴細工ぐらいなら勉強すれば…」

『いえ、修行に専念した方が…』

竈門「この耳飾りは…」

『そうなんですね！！』

話しかけられた！と

喜びが心の底から湧き上がって

お嬢様はその可愛らしい頰を赤らめ

牡丹の咲いた瞳を輝かせた

嬉しい！嬉しい！といった感情は

匂いからしてダダ漏れなのだが

炭治郎が欲しい言葉は出てこなかった

少し、むっとしてしまう炭治郎である

竈門「荷物持ってやろうか？」

『いえ！』

竈門「俺は日の呼吸という呼吸の…」

『まぁ！』

違う！お嬢様！違うよ！！！

炭治郎はカッコいい、さすが、素敵、好き、の

単語を求めているのである

しかし一向に口にしないお嬢様に

炭治郎はさらに意地を張るのだ

竈門「簪！もっと欲しいか？」

『いいえ！』

竈門「俺は火加減が上手だから、料理は結構美味いんだぞ！」

『そうなんですね！負けないようにしないと！』

竈門「！？！？いや、そんな！！」

？？？

と、疑問を素直に顔に浮かばせた

首を傾げる姿は可愛らしいが

その姿を見て炭治郎は思わず絶望するのである

はぁ、と思わずため息をついてしまう姿を見て

お嬢様はさらに驚いて、悲しそうな顔をする

二人のすれ違いは加速していくのである

我妻「なにこれ…」

ちょうど通りかかった善逸もため息を漏らした

続き→←続き

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す