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続き ページ26

『私、最後に鬼に食われて死んでしまったの。だからお願いしたのよ?』

錆兎「あ…あ、」

その美しい瞳が錆兎の顔を撫でた

腰が砕けそうになる色香

鼻から入って神経を刺激して

そして頭の中を隅の隅まで占領されてしまう

空気を数度アルコールの度数が増していく

可愛らしく真っ赤に染まる錆兎の顔に

初々しいわと意地悪をしたくなる

つい…とその頰を撫でてそのまま。

ゆっくりと首を縁取り着物の中に指を滑らす

うるさく、騒々しい心臓も相まって

ついその手先に意識が向いてしまう

『運命の人に会いたいわ』

妖艶な瞳で色づいた唇。

その動作は一つ一つが盗まれそうな

宝石の輝きを放っている

はぁ

優しく耳に息を吹きかけると

錆兎の欲望が背筋を暴れまわり

ゾクゾクと鳥肌を立てていく

だめだ、呼吸が、できない

錆兎はその女に心を掴まれながら

意識を手放した

『……あら?気絶してしまったわ。可愛らしい人なのねぇ』

真菰「……え」

『ふふふ』




真菰「あなたはすでに死んでいると」

『そうねぇ』

真菰「で、運命の人が錆兎だと」

『わからないわ、でもその可能性が高いみたい』

真菰「錆兎も隅に置けないね!」

『ふふふ…嬉しいわ。錆兎さんはさっきから素振りをしていらっしゃるけれど』

狭霧山が一瞬にして色香の元に変わる

黄昏ももう奪われた今となっては

艶かしい美貌の彼女が月の光である

そんな女性をほっておくとは

なかなかの神経の持ち主であるが

気を抜けば気絶してしまいそうなのだから

錆兎の行動もあながち間違っていない

『錆兎さんが亡くなってしまったから、私はあそこで食われて死んでしまったのねぇ』

真菰「…怒ってる?」

『いいえ、そんなことはありませんよ』

ただ、と口惜しむように

彼女は唇をそっと撫でた

その一つの動作で真菰は思わず心臓を掴まれたのだ

そんな目線を向けられる錆兎は

たまったものじゃないだろう。

『錆兎さんに抱かれてみたかったわ』

錆兎「お、女として!!恥じらいを持て!!」

『あら、すみません』

ね、錆兎さん

こっちを向くとわかっていたのだろう

真っ赤な顔をさせた錆兎を誘うようにして

その白い足を少し覗かせた

着物の裾をゆっくりと持ち上げて

錆兎の欲望が注がれるように。

錆兎「本当に!!お前ってやつは!!!」

『どこをみていらっしゃるのでしょう。助平でいらっしゃるわ』

こんな女と結ばれるのか俺は。

錆兎はそう思いながらもまた、意識を手放した

霞みがかった夢を見た。→←妖狐の微笑み



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琴音 - めっちゃくっちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年3月5日 16時) (レス) @page1 id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 初めまして!すごく小説おもしろいです!!「河原撫子」このお話すごく切ないです、、うるうるしてしまいました、 (2021年9月29日 18時) (レス) @page28 id: 5d7155b87a (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス(花霞) - 有一郎ぉ… (2020年9月18日 20時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
さとり - こんにちはです!リクエストなんですが…宇髄の弟お願いします!いつも楽しみにしてもらってます! (2020年4月14日 9時) (レス) id: 3436782285 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 竈門夫婦ももちろんですが、不死川夫婦の出会いからの続きも気になりすぎます…っ(o>ω<o) 本気で大好きです!!これからも応援しております(*´ω`*) (2019年12月15日 1時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきぽん | 作成日時:2019年10月4日 13時

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