雄弁は銀沈黙は金 ページ14
わからない、わからないわ
こんなに乱雑にされて愛されているとは
到底だけれど思えない。
冨岡Aと冨岡義勇は
現代でいうところのおめでた婚だ
酒に酔ってしまった義勇が
理性を保てず不運体質である彼女が巻き込まれてしまった
たった一回の逢瀬で
彼女は子供を授かり
そして恋心を奪われた
だけれど義勇は覚えていなくて。
奥さんは苦しい片想いを強いられた
その後、無事結ばれたと思っても
やっぱり不安は拭えない
だって口下手で、ぶっきらぼうで
朝が開けるのも待ってくれない
その上乱雑に抱くのだから思わず泣いてしまう
胡蝶「奥さん、奥さん」
『はい？』
奥さんなんて照れるな、って
にわかに微笑んだ
そんな可愛さに見事に心を撃ち抜かれるしのぶ。
あんなに不器用な男には
不釣り合いすぎる可愛らしい女性だ
胡蝶「冨岡さんがある鬼の術にかかってしまって」
『術？』
胡蝶「はい。心の声が筒抜けなんです。まぁ、冨岡さん本人は知りませんが」
『え！？』
頑張ってくださいね
と、わけがわからない応援をしてしのぶはその場を去った
あとは少しの暇を夫婦で過ごすだけだ
『義勇さん』
冨岡「…」
相変わらず無視されるその背中に
きりっとガラスが刺さっているようで
心が締め付けられた
そんな時である
……名前を呼んでくれた。うれしい
『え？』
冨岡「？」
…惚けた顔もかわいい
『え？え！？』
顔が爆発しそうなほどに真っ赤になる
りんごみたいに真っ赤で
砂糖菓子のような魅力を放った
ほんとに芯まで可愛い子とはこのことである
『義勇さん、義勇さん』
冨岡「…」
その水葵のような瞳を輝かせて
奥さんは必死に名前を呼んだ
うれしい、うれしいと囁くように。
『義勇さん』
冨岡「…なんだ」
『好き、好きです』
昔もよくこの冨岡邸に勝手にお邪魔しては
好きだ、好きだと雨のように語り
うるさい、煩わしいと槍のように返された
が、結婚してからは言わなくなったものだ
なんだかこっぱずかしいし
嫌われたくはなかったから。
でも一度漏れると止まらなくなる
『好き、好きですよ』
冨岡「…あまり」
可愛いことしないでくれ
歯止めが効かなくなるから
『義勇さん』
心の声が筒抜けなんて知ったら
義勇さん逃げちゃうだろうな、嫌だななんて。
冨岡「は」
『え？』
冨岡「筒抜けだったのか？」
『は！？』
俺もお前の思っていることが筒抜けだったんだ
『え！？』
続く…かも？
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琴音 - めっちゃくっちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年3月5日 16時) (
レス) @page1 id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 初めまして！すごく小説おもしろいです！！｢河原撫子｣このお話すごく切ないです、、うるうるしてしまいました、 (2021年9月29日 18時) (レス) @page28 id: 5d7155b87a (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス（花霞） - 有一郎ぉ… (2020年9月18日 20時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
さとり - こんにちはです！リクエストなんですが…宇髄の弟お願いします！いつも楽しみにしてもらってます！ (2020年4月14日 9時) (レス) id: 3436782285 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 竈門夫婦ももちろんですが、不死川夫婦の出会いからの続きも気になりすぎます…っ(o>ω<o) 本気で大好きです！！これからも応援しております(*´ω｀*) (2019年12月15日 1時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2019年10月4日 13時
