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少しだけ静かなお話し ページ43

サスケ「そんなに食べて太るぞ?」

春の宮「大丈夫だもん!」

右手に暖かい体温を感じながら

肉まんを口に放り込む

はぁーと吐く息は白く空に広がり

冷たい風に吹かれて一層肉まんの旨味が増す

隣のサスケはおにぎりを食べていて

なんだかさっきよりも顔色が良くなっていた

よかったなんてほっとして

繋がれている手を強く握り返す

まだまだ小さいサスケの手は

修行で少し傷ついていて明日くらいに

手当てをしてやってもいいと思った

サスケ「春の…………ね、ねーさん」

そんな事を考えていると

右手が強く握り返された

聞き慣れない呼び名に

心がキュッとあったかくなって頰が緩み始める

ねーさんってこんなに素敵な響きだっただろうか

サスケ「ねーさんの事教えてよ」

私の事

そう聞かれて言葉が詰まった

少しざわついた空気が広まる

サスケはその雰囲気に敏感で

顔を伏せてしまった

春の宮「私の事…?」

サスケ「答えたくなかったらいい」

少し震えてる音色に顔がひきつく

我が子には隠し事はしたくないし

知りたいのなら教えてやりたい

だけど、だけれど

春の宮「少しだけね?」

こんぐらいで許して欲しい

いつか絶対に話すからと心の中で呟いて

えへへと間抜けに笑った

彼はどう捉えたのだろうか

俯いた頭が前を向きはじめた

春の宮「私は遠い遠い国から来た外国人だよ
上に姉兄が3人いて、母親がいて、普通に幸せだった」

サスケ「そうか」

春の宮「私は一人だけ強運でね?家族に迷惑かけたりしたけど私の事を愛してくれていたよ」

サスケ「今は?」

春の宮「今も元気だよ!私の事を愛してくれてる
でも私の不運に巻き込まれて離れ離れになってしまった」

サスケ「会えるのか?」

春の宮「多分暫くは無理かな?でももうすぐ会えると信じてるよ」

サスケ「お母さんはどんな人だったんだ?」

春の宮「綺麗な人だったよ、見た事もないくらい
でもドジで頭が悪くてほんのすこしだけ幸運だった」

サスケ「なんだかねーさんにそっくりだな」

春の宮「それでみんなに愛されてた
今でも憧れるよ、私の母であり気高き女王だったあの人をね」

サスケ「女王?って事はねーさんは王…………」

春の宮「さぁ!家に着いたよ!」

ガチャリとドアを勢いよく開ける

真夜中なのに明かりが漏れ出して違和感を覚えた

これはもしかしてナルトがおきちゃったかな

ナルト「どこ行ってたんだよ!」

あの後ナルトを慰めるので大変だったのはまた
別の機会に

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作者名:ゆきぽん | 作成日時:2018年3月26日 22時

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