本気で孕ましてやる。続！【鬼滅の刃】

煉獄夫人が小さくなりました… ページ23

煉獄「よもや…」

『煉獄さんってばあったかーい！！』

煉獄「よもや…」

大きな図体に似合わずその膝に乗っけていたのは

不自然なほどに幼い奥さんである

黒い隊服に白い着物はよく見えた

金色のボタンを面白そうにキラキラさせながら

杏寿郎にこれでもかと言うほど甘える奥さんは

いつものような大人しさはなく

その可愛らしい顔を精一杯生かした甘えん坊である

そういえば昔、甘えん坊ですがよろしくお願いしますと

彼女の両親に言われたことを思い出した

全然、そのような素振りを見せなかったが

たしかに幼い彼女は甘えん坊だった

正直言ってあまりにも可愛すぎる案件だ

煉獄「足が痺れてきたな…少しどいてもらえるか」

『やー、よ！』

煉獄「よもや！！」

彼女は甘えん坊の上に甘え上手であるという

恐ろしい一面を発見した杏寿郎

またもや心臓を掴まれて

うるさいぐらいばっくん、と音を鳴らす

任務に行く、行かないの問題ではない

心臓発作で死んでしまうかもしれない

そう思えるほど彼女は可愛らしかった

『杏寿郎さん、お腹すいたなぁ』

彼女は結婚してからこの方

杏寿郎のことを煉獄さんと呼び続けた

自分も煉獄という苗字なはずなのに

その呼び方は心に刺さる

しかし今はどうであろうか

必死にしがみついて離れず

やだ！と駄々をこね続け

あろうことかその鈴の音色で杏寿郎さんと呼ぶ

杏寿郎はもうすっかりそのギャップに骨抜きにされていた

彼女はしめしめと笑う。とんだ確信犯だ

煉獄「何が食べたい！？なんでも買ってきたやるぞ！」

『うーん…お団子！』

煉獄「承知した！」

彼女の両親は彼女の秘めている魔性の甘え上手の才能を

幼い頃から危惧していた

気づけば甘やかしてしまう

そんな恐ろしさに両親は必死に厳しく育てた

そのおかげで彼女はその才能を開花させることはなかったが

本来は炎柱をも骨抜きにしてしまう甘え上手なところがある

裾を名残惜しそうに握りながら

上目遣いを駆使する奥さんは

普段なら絶対に見ることの出来ない可愛さである

『あ、でも待って』

煉獄「む！？」

『まだ、ぎゅってしてね』

煉獄杏寿郎、死亡である

その悪戯に笑う瞳。緩く弧を描く唇

甘える声に小さな体

杏寿郎はあまりの可愛さに悶えた

その姿を見て

彼女は小さく呟くのだ

『ふふふ……私のこと大好きになっちゃった？』

もし、彼女がこのまま成長していたらきっと全ての男がひれ伏していただろう

小さな奥さん、侮れし。である

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