本気ではら .ましてやる。【鬼滅の刃】

錆兎の本気 ページ11

錆兎「お前に会うのに山のような金を積まなきゃいけない」

『あら。もう一人のお得意さんはあなたの倍は出しましたが』

錆兎「なに！？」

最近、鬼殺隊である噂が流れている

あの水の呼吸を極めた男、錆兎というやつが

なんと花魁に骨抜きにされて

金を搾り取られているというものだ

毎晩、毎晩、通いつめ

鬼を山ほど倒した金で、たった一夜の恋を買う

そんな不毛なことを続ける男には到底見えない

錆兎「なんで他の男を通すんだ」

『私も花魁の名がありますわ。断れない話もありますの』

錆兎「どうだかな」

『疑っておりますの？あなただけ特別扱いしているというのに』

夜の街は色鮮やかに揺れた

外を覗くことができる窓はとても小さく

広い部屋に置かれた布団は柔らかい

展覧豪華な着物を身に纏い

その赤く色付けられた唇を操り男を虜にする

まさにこの街一番の花魁。

一つ一つの動作が美しく

全てお得意さんの錆兎のためだけに見せられる

この世で一番の女であり

『あなただけなんですよ？』

錆兎を手のひらで転がす、冷酷な女である

そんな女の冷酷さを認めながらも

通い詰める錆兎は彼女に心酔している

彼女の残酷さを知りながら

健気に尽くす花魁の魅惑に取り憑かれているのだ

たった一度、あの時に、会っただけなのに。

錆兎「お前は残酷な女だ」

『あなたは少し優しすぎるわ。私の心に合いません」

それは彼女も一緒なのだろう

滅多に貸さない膝を貸し、素直に甘える錆兎を撫でる

その姿は数多の男を骨抜きにしたくせに

まるで乙女のように初々しかった

初恋の酸っぱい味がする

錆兎「そうやって恋い焦がれる顔をするから俺は離れられない！演技に見えない。どうしてだ。どうしてなんだ」

『演技じゃないもの』

その酸っぱさに彼は顔を歪めた

本当か嘘かわからない女を捕まえるために

必死に追いかける獅子の姿のくせに。

『確かめたら…どうです』

彼女の優しい瞳が足元を捉えた

誘うような手つきが錆兎の理性を揺るがす

耐えられず優しく押し倒してやると

彼女は花魁らしくなく顔を赤らめた

『攫ってくださればいいのに』

錆兎「俺は正式な形で結ばれたいんだ」

優しい瞳が初恋に揺れた

堂々と真正面から攫いにきてくれる錆兎が

彼女は大好きなのだ

錆兎「自分から誘っといて…今夜は覚悟しろよ」

獅子の姿の彼が牙を向いた

らしくもなくきゅうと胸の音がなって

彼女はまたもや顔を赤らめた

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