最強の技 ページ8
ボルト18歳
月の宮さん23歳
という設定です
「ねえねえ」
新しい日を迎えてすぐくらいの頃
長い髪が風に吹かれて波紋のように空に広がり
耳に吹きかける夜風が冷たく
被っている毛布をより一層深く被った
もう23という大人というものになってしまったが
残念な事に成長したのは体だけで
心は一切成長していない
だから昔みたいに遊びたい訳で。
この年になって、抜け出して会いに行くのは
多分私くらいしかいない
ボルト「また後で」
でもぼーやは違う訳で
この前まで可愛い弟だと思ったら
すっかり背丈も越されて見下ろされる感じだし
何よりも幼さがなくなった
成長が早くて正直ついていけない
少し寂しいなんて思ってしまう次第だ
「忍法」
そういえば昔こういう事があった気がする
私が仕事をしている時、ぼーやがきて
構ってやりたかったんだけど構えない時
ぼーやは忍法を使ったんだっけ
その名も
「少しくらい構っての術」
ふわっと優しく抱きついてみる
大きく肩が揺れたのはきっとびっくりしたからだろう
昔と変わらない日向の匂いが私を包みこんで
自然と落ち着かせてくれた
相変わらず背中は広いし
動じない所は変わらないけれど
ボルト「あのさ、俺だって男だよ」
そういったと思えば顔があった
昔よりだいぶ成長したけど
まだ少し面影があって親近感が増す
より一層日向の匂いに包まれて
自然と眠りに誘われた
「分かってるよ…かわいいぼーや」
ボルト「はぁだから…って」
「…………」
ボルト「寝てる…」
がしがしと荒々しく頭をかき
何かを我慢しているような顔つきだった
ボルト「はぁ…結局こうなんのかよ」
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もし起きていたら
ボルト「あのさ、俺だって男だよ」
「分かってるよ！かわいいぼーや」
ボルト「はぁ分かってないなぁ」
「？どうしたの？押し倒して」
ボルト「朝までたっぷり構ってやるってばさ」
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年3月22日 20時
