彼女の母親 ページ26
モブ男「あぁ！？なんだよ」
運悪くヤクザの様な風貌の悪い男に
ぶつかった
想像以上のトゲトゲしい声に
困った様に眉をさげた彼女
長いまつ毛に綺麗な体は格好の的で
全身を舐め回す様な視線に
たじろいだのを見逃せなかった
母親「ごっごめんなさい」
モブ男「おいねーちゃん！許されると思ってんのか」
荒げられた声の形に似合わず
舐め上げるような視線に
我慢のゲージが上がっていくのが分かった
唯一のストッパーといえば
記憶の端にある仕事だろうか
しかし困った様な彼女の顔に
火影として、元想い人として動かざるを得なかった
ナルト「隣国の王女様に何かよう？」
耐えきれず細い腕を引き寄せた
雨に打たれた桜の香りが包み込んで
昔の記憶を呼び起こす
揮灑な彼女やその身に起こる強運が
癪に触って一層強く引き寄せた
モブ男「火影様！？いいえなんでもないです」
さっきの視線は一瞬で消え失せ
魚の様に泳ぐ目に正直スッキリした
気のせいかもしれないが
彼女も落ち着いた様で
だんだんと規則を正していく呼吸に
安堵した
負け犬の様に尻尾を巻いて走り去る男に
小さく安堵の息を漏らしたのを
聞き逃さなかった
確か昔もこんな事があったなと
少し記憶の宝箱から溢れ出てきた
その記憶の限りこういう試ししかないのだが
ほっとくのも心配だと思い
少し仕事を甘く見る事にした
ナルト「分かったついていくよ
Aちゃんは本当についてないな」
昔からそうだよなという笑みを浮かべて
彼女を見る
伝わったか伝わってないか分からないが
消える様な声で発した言葉を
消える事なくしっかりと掴んでしまった
母親「これで一緒にいられらるのならむしろ幸運かな」
そして心さえも掴まれたのはいうまでもない
本当に昔からこの人は…この人は！
恐ろしいくらいに
天然タラシというか可愛らしいんだから…
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余談
月の宮の母親は"巷で噂の"で出てきた人です
不運によって色々な男に乱暴されて
主人公を身籠りましたが
幸運によって国の最高権威になった
とんでもない人です
夫はおらず今でもナルトの事を…？
終わり
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年3月22日 20時
