彼女の母親 ページ24
「ねぇサラダちゃん！」
厚い雲の中から差し込む光が
チラチラと植物を急かしては
すぐにパッと消えてしまう
多分幾分か向こう側には雨が降っており
時期にここも雨に襲われるだろう
証拠にほんのりと雨の香りが漂っていた
そんな天気に負けじと
まるで快晴のようにまばゆい笑顔を向けたのは
よくボルトの隣にいる美人なお姉さんだった
見れば見る程輝かしい美貌に吸い込まれそうになり
思わず拳に力がこもってしまう
周りには吸い込まれてしまった人も多く
男女問わず彼女に見惚れていた
ここまでくると困ってしまう
サラダ「えーと…あなたは？」
正直に話すと少し面を食らったような
そんな複雑そうな顔をしていた
少しばかり彼女の顔に曇りが
かかってしまったのを見逃す事は出来なかった
「知ってるかと思ったな…」
長い髪を耳にかける
少し尖った妖精のような耳が現れた
まるで御伽噺に出てくる妖精のようで
特徴的だと心の中で思った
すると腰を低くして目線を合わせてくれた
確かボルトにもよくこうやって話しているのを
見かけていた
静かに絡む視線から逃れられずに
その美しい瞳に捕らえられた
「私は月の宮A
てっきり知ってるかと思ったんだごめんね？」
長いまつ毛を揺らしえへへと笑う彼女
白い歯を見せた彼女は少し申し訳なさそうで
何だが無性に罪悪感が湧いた
サラダ「いいえ全然大丈夫です。よくボルトといる
から顔は知っています」
「そっかぁ ぼーやったらよくクラスメイトの話を
してくれてね！一応ある程度は知ってるんだよ」
さっきのあの顔が嘘のように明るくなった
まるで晴れ渡る空のようだ
そんなに嬉しくされると
こちらも何だがほっこりしてしまう
あのボルトがご執心なのも納得のいく話だった
サラダ「それで一体どうしたんですか？」
「実はね、困った事に…」
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年3月22日 20時
