もしも両想いになれたら ページ22
私の好きな人は五歳も歳下の
男の子、、というより男性
歳下が好み…………というわけではなく
ただ好きな人が歳下だっただけだ
でも厄介な事に
歳が離れてると触れ合う機会が中々ない
どっちかと言えばやっぱり
同期といった方が距離も近いし
それなりに恋愛対象に見られるだろう
つまりは…
私の恋が成就するのは
はっきり言うと困難であるという事だ
「めげるもんですか！！」
空の端にチラチラと
真っ白な雲か映る日
どちらかというと晴れている時だった
こんな日は買い物でも行こうかな
なんていう考えがあるからか
外を歩いている人は多かった
両脇に店を抱えた道路は
縦横無尽に様々な人が訪れる
太陽に反射してキラリと光る宝石や
思わず胃袋をくすぐる香ばしい匂いは
人の視線や好奇心を奪い去る
実際私もそのハンター達に
心を奪われそうになった１人である
でも果たさなければいけない目的への
義務感というか使命感がストッパーとなって
何とかいまここにいる
その目的とは…
モブ「きゃー！ボルト君！！」
あれだ
雨のように黄色い声援を浴びているのは
私の五歳下の友達、というか弟のような存在だった
うずまきボルト
今日の空の数倍澄み渡ったその父親譲りの瞳に
すらりと伸びた背丈という
ルックスだけでもう既にガールズハンターな
とんでもない男
ちなみに私の好きな人でもある
モブ「ボル様！抱いて！」
スピーカーのような声に
思わずシワを寄せてしまう
そして情け無い事に
歳下の女の子に嫉妬心を燃やしてしまった
でも！
こんな真昼間からそんなふしだらな言葉を
垂れ流す彼女達が悪い！
小さい子供だってお天道様だって
ばっちり見ているのに。
…って言い訳か
「ボル様…抱いて」
そんな事を考えつつも
少しでも気を引きたくて
本当に小さく真似をした
でも彼からは
数メートル離れているし
絶対届いてない
…何をしてるんだ、自分は。
小さな言葉が彼に届く事はないけれど
代わりといってはなんだが
羞恥心を掻き立てられた
そして独りでに顔に熱が集まる
周りから見たら絶対におかしい
お天道様の下で一体何をしているんだか…
ボルト「それ、本当？」
聞きなれた恋しい声や
包んでくれる日向の匂いに
一気に心臓が跳ね上がる
遠くで彼女達が
ボルト君どこ？
なんていう会話をしているのがやけに鮮明に聞こえた
「なっ何のこと！？」
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年3月22日 20時
