五歳の壁とは…？ ページ18
巷でよく噂されている事がある
遠い国のお嬢さんとか
お姫様だとか
なんでも偉いべっぴんさんらしい
まぁ俺には関係ない事だし、
ただただめんどくさいだけだったが
友達との会話に尽きた時に
ぽろっと話してしまったのがはじまりだった
ボルト「それって月の宮のねーちゃんのことか？」
机の上には食べかすのハンバーガーと
飲みかけのジュース
よく見れば水滴が付いており
周りは少し濡れていた
目の前でゲームをしていたボルトが
珍しく手を止めたと思ったら
嬉しそうとも恨めしそうとも言いかねない顔を
していて
まるで脳天を打ち抜かれたような顔つきに
違和感を覚えたのも確か
シカダイ「知り合いか？」
その一言に大きく目を見開いて
その瞳に俺を捉えた
青く吸い込まれそうな空の色に
くっきりと自分が映ったと思えば
せわしなく魚のように視線を泳がせ
口をもごもごと曇らせるあたり
シカダイ「好きな人なのか？」
と考えた
聞いた本人は大きく肩を震わせ
ボルト「いやっ…そんなんじゃないってばさ」
と呟くもんだから
ほぼ好きな人と認定して良さそうだ
嘘つくのが下手くそすぎだろう
ミツキ「へぇ好きなんだね」
ボルト/シカダイ「うわぁぁぁぁ！？いつからそこに！？」
ミツキ「ずっとだよ」
影っていうか空気のようにいつの間にか
そこにいたミツキを横に
好きな人がバレた恥ずかしさか
いきなりで驚いたか
まるで絵に描いたような顔をするボルト
その顔を見てくすくすと
面白そうに笑うのはミツキと
「変な顔だよー」
巷で噂の…
ボルト「月の宮のねーちゃん！」
シカダイ「どうも」
月の宮さんだった
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年3月22日 20時
