ヒーロー達の子を身籠りまして…【僕のヒーローアカデミア】

緑谷家の嘘 ページ15

娘「あれ？ママ、まだ寝てるの？」

緑谷「疲れてるんだよ。ちょっと待っててね」

朝、布団には無数のシワがより

彼女の白く柔らかな肌には所有物という証である

キスマークという名の噛み跡がついていた

お互いに非番であるこの珍しい休日

娘との約束もさる事ながら

夫婦の営みっていうやつに没頭してしまった

いつもならとうに起きている時間だと言うのに

彼女は疲れたように寝いるだけだった

少し、この状態を見られるのは気まずいなと

白い布団を彼女にかぶせれば

僕譲りの好奇心旺盛な我が娘が逆に食いついた

娘「ねぇねぇ！どうしてパパは裸なの？」

緑谷「昨日は暑かったからね」

娘「でもまだ四月だよ」

緑谷「えーと…それはね…………」

ふわりと僕譲りの天然パーマが風に揺れる

彼女に似た柔らかな髪質も相まって

絡まりやすく親子ともに苦戦する髪である。

その下から覗く大きな瞳は

緑とも青とも言い難い瑠璃色の光を包んでいて

その瞳を前に嘘はつきづらかった。

なんだろう、良心が痛い。

緑谷「二人でくっつくと暑いんだよ」

よし、さながら嘘じゃない

大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせつつ

娘の頭に手を置いて優しく撫でてあげた

それに嬉しそうに目を細めて

頰を緩める我が子はやはり、可愛らしい。

娘「じゃあさ、なんでパパに傷があるの？」

緑谷「傷？」

娘「背中の方にたくさん！」

ひ、引っ掻き傷だぁぁー！！

と内心叫び、汗が滝のように吹き出す

純粋無垢な我が子の好奇心に

昨日こっ酷く抱き潰した自分が痛めつけられる

久しぶりで羽目を外してしまったのだ

平和の象徴だとしてもこれぐらい許して欲しいと

誰に向かってかもわからない言い訳を心で唱えた

緑谷「これはヴィランにやられたんだよ」

娘「昨日はなかったじゃん」

緑谷「う…！！」

娘の目ざとい返しに言葉が詰まる

実は夫婦の営みってやつをー

なんて言えるはずもないしそもそもそんな年じゃない

しかしこんな姿を晒してしまえば恥ずかしくて死ぬ

どうしようかと朝何回も思ったセリフを

また心の中で浮かべてしまった

そんな時、

『朝ごはん、作るから先に下に降りておきなさい』

救世主のような母親である彼女の声が聞こえた

どうやら起きたらしい

流石、母親。娘はすんなりということを聞き

下に降りていった

『危なかった…』

そう呟く彼女から殺意が感じられたのだが

それはまた、別の機会に話すとしよう。

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