最強の敵 ページ7
『海外出張が決まったのでいってきますね』
爆豪「は？いや、おいおいおい…待てや」
妊娠して約一カ月。
そこまで酷くないもののめまいや立ちくらみがすると
ほんの数分前まで言っていた彼女が
小さな一口を頬張りながらそう言葉を漏らした
熱々のご飯からは白い湯気が立っている
彼女が修行して身につけたと言うご飯は本当に美味しい
いつもはちゃんと味わうのだがそんな場合ではない
爆豪「は？行ける訳ねぇだろ」
『え？』
爆豪「だってテメェ妊娠してるじゃねぇか」
『大丈夫…』
爆豪「な訳ねぇだろ」
『いや、本当に大丈夫…』
爆豪「じゃねぇよ」
そう言うと彼女はピシッと箸を止めて
ゆっくりと机の上に置いた
コト、と小さく机が泣いて彼女はゆっくり息を吐く
美しいタレ目と俺のつり上がった目が重なり合った時
瞬時に悟るものがあった
これは久しぶりにくる"駄々こねA"だと。
『絶対行きますからね』
爆豪「ダメだ」
『聞かない』
爆豪「聞け」
『ヤダ』
爆豪「行くな」
『ヤダ』
きてしまった…と心の中で後悔してももう遅い
彼女は普段からワガママを言わない
しかしここぞと言うところでワガママばかり言う
末っ子の性と言うやつかヤダの一点張りなのだ
しかも困ったことに俺はこの駄々こねAに非常に弱い
なんたってこの時の彼女は本当に幼くて可愛らしいと柄にもなく思ってしまうからだ
爆豪「行かせねぇ」
『ヤダ』
爆豪「ここにいろ」
『ヤダ』
大きな瞳がグラグラと揺れている
精一杯の怖い顔をしようとして
必死に眉間にしわを寄せているが
びっくりする程怖くない
なんだか只の冗談めかしく見えてくる
そして普段釣り上がることのない眉を
必死に釣り上げてはゆずりませんと
大きく顔に書いてあるようだった
その姿はまるで、まるで
爆豪「怒ったハムスターみてぇ」
『ヤダ…ん？』
一瞬拍子抜けたかと思うと
パッといつも通りのほんわかとした表情に戻る
そしてまた気づいたようにキッと顔を強張らせた
その姿はやっぱり可愛らしい
ババアが見たら発狂しそうなレベルである
それからというものの彼女のヤダ攻撃は止まらない
そして結局はどっちが折れるかというと
爆豪「分かった分かった。俺も一緒に行くならいい」
『ほんとですか？やったぁ』
結局は俺なのだ
ババアにもヴィランにも屈しない俺だが
彼女にだけはどうしても勝てない
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花帆 - ヒロアカで一推しのかっちゃんと夫婦夢を読めて嬉しいです！！すっごくトキメキました/// 怒ったハムスターみたい 想像して、んん、可愛い…！ってなりました(o>ω<o) かっちゃんも夢主さんも可愛いです(*´ω｀*) (2019年10月31日 3時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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