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宣戦布告、その後 ページ16

爆豪「宣戦布告は俺の勝ちだった訳だが」

『い、いつの話ですか、それぇ…………』

夕方、ご飯の後始末を彼女がしていた

お腹に子を抱えながらも台所で食器を片している

流れる水の音と外のコオロギのさえずりが

なんとも似合わなくてふと昔の事を思い出した

髪を1つにくくって高いところで揺らしている彼女は

ひとつぎくりと肩を揺らして

ゆっくりとまた動き出した

爆豪「報酬くらいあってもいいんじゃねぇか」

『何を今更言っているんですか』

爆豪「俺、結構頑張ったじゃねぇか」

『それだけ接戦だったんですよ』

テレビの向こう側で彼女が音楽を奏でている

そして台所の向こう側では食器を片している

なんだか不思議な居心地だった

昔から何回も出演しているだろう彼女だから

その可愛らしい顔も小さな体ももうみんな知っているが

ただいまと言って優しく微笑むのも

夜、高い耳によく響く湿った声も

俺だけのものだ

『…私、勝己君に身も心も捧げたつもりなんですけど、不満でしたか?旦那さん』

普段言わないであろう言葉

可愛らしくも恥ずかしげのあるセリフに思わず

ドッと熱が集まるのを感じた

脈が早い、顔の赤みがなかなか引かない

暑くもないのに汗をかく

こんな感覚は今まで彼女の前だけ何回もあった

一番最初はテレビの中で彼女を見た時だった筈

爆豪「テメェなぁ…妊娠してなかったら押し倒してたぞ」

『…………//////すみません』

肩まで伸びた金髪が少し浮いて見えたのは

いつもと違う真っ赤な頰が珍しかったから

小さな彼女はますます肩をすぼめて小さくなり

食器を洗う手も止まってしまった

二人の間を通り抜けるのは

彼女の手にあたって流れるだけの水と

数日前の彼女が披露した曲の音だけだった

『に、妊娠してても、別に…その…今だったら…………できなくもないですよ?』

爆豪「お前な…………」

いつのまにか変な誘い癖を覚えやがってと

小さな声で呟いてから

足を動かして彼女に擦り寄る

さらに固まってしまった彼女を見て

可愛らしすぎると真剣に悩んでから

一緒に皿を洗い始めた

しばしの沈黙。

なにかを待ち受けるような彼女の表情にそっと声をかけた

爆豪「もちろん、明日は非番だよな?」

『は、はい。もちろん』

最後の皿をしまいこんでから

冷たく濡れた手をそのままにして

彼女を寝室に運び込む

くらい部屋に月夜がよく映えていた

彼女の唇はほんのり甘かった

夜は必ず明けるもので→←爆豪誘拐事件の彼女



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花帆 - ヒロアカで一推しのかっちゃんと夫婦夢を読めて嬉しいです!!すっごくトキメキました/// 怒ったハムスターみたい 想像して、んん、可愛い…!ってなりました(o>ω<o) かっちゃんも夢主さんも可愛いです(*´ω`*)  (2019年10月31日 3時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきぽん | 作者ホームページ:http:///  
作成日時:2018年9月16日 0時

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