私の"全て"、文豪達に奪われました【文豪ストレイドッグス】 (ページ1)

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プロローグページ1

『何してるのさ』

私、歳は22

五年間付き合っている彼氏がいます

今、現時点で終わりましたけれど

言うならばjust nowってことです

あ、英語でこれが出たら過去形を使わないといけないので

忘れないでくださいね

『浮気をしているんだ』

別に好きでもなんでも、なかったので涙はでなかったが

なけなしの金で彼の生活を支えてきた私の所業に泣きたくなる

なんて惨めなんでしょう

『この家には住めない…！？』

しかも、その彼氏に金を貢いだせいで家賃を払えず

大家さんに追い出されてしまう始末。

『家具が、あって！』

真夜中に響く自身の惨めで聞き苦しい

風邪気味の声に不快感を覚えます

言うならば絶対絶命。

今日から寝るところもなく

彼氏もいなく、家族もいない

あるのはこの身と残業と使えない異能力だけ

『星が綺麗だなぁ』

公園のベンチに腰をかけました

空を見れば美しい星空が包んでくれます

きっと冬だったら死んでたなぁ

夏も虫がいるから嫌なんですけどね

…いつからだっけ、こんなに惨めになったのは

確か昔は手に負えない程のヤンチャもので

宿題は提出しないし、机の上で鬼ごっこはするし

女子より男子と気が合ったし

よく先生に怒られたし

自分の異能力を使ってスパイダー…なんちゃらの真似をして、

そこそこ友達多かったし

そして、今は静かな根暗女子だし

残業サービスとかようこそって感じだし

机の前で貼り付けになるし

男性とか気を遣ってしまうし

上司にはまぁ、よく怒られるけど

異能力は使えないって思って嫌いだし。

『原点回帰でもしようかな』

地に落ちたらそれより下はない

私ならよく分かってるじゃないか

朝の来ない夜はない

今は月しか見えないけどそれでも綺麗だからいいじゃないか。

雨の後は晴れるでしょう

お天気お姉さんの醍醐味ですよ。

今の手持ちはなんだろうと思ってカバンに手をかける

中に入っているのは使えない書類と

仕事用ノートパソコン

そしていざという時のハサミが一丁

『まぁ、生きてやろうじゃないか！！』

ある星空の下の出来事である

それがまさか好転するとは思いもしなかったのだが。

太宰「好きだ」

中原「お前と共にありたい」

芥川「僕と付き合え」

森「君限定だ」

文豪達に思いを寄せられるのも考えなかった