自由人 頑張る2

3 パレード ページ3

『いやぁ〜、壮観だね』



あの後、イルマは指輪の力を使って魔獣の魔力ごと飲み込み、ことなきを得た。その貢献を讃えてか、ロノウェの父、ロノウェ・ロズベルトが魔獣討伐のパレードを開いてくれたのである。



今、Aたちはパレードの乗り物の上に乗り、凱旋を行なっている。



『楽しかったねぇ』



『ね、イルマくん』と問えば、「最後は大変だったけどね･･･。」と返ってきた。



『最終的にイルマくんのおかげで、ウォルター・パークにいた人たちは救われたんじゃん。すごいよ、イルマくんは。』



「そ、そんなことないよ。みんなが色々と手伝ってくれたから･･･」と謙遜し始めたので、重量操作(フラクタル)でイルマを高く持ち上げる。



急なAの行動にイルマは驚いているようだが、構わず続ける。



『ほら、見てよ。こんなにたくさんの人たちの笑顔を守れたんだからね。もっと、誇らしくしてていいんだよ？』



そう笑いかければ、恥ずかしそうにはに噛むイルマ。


＿＿＿＿＿＿＿＿


そろそろ降ろしてもらおうと声をかけるイルマ。



「Aちゃん？」


『･･･どうしよ。』


「え？」



真剣な顔をしてAは呟き始めた。



『初めて重量操作(フラクタル)で誰かを持ち上げたけど＿＿＿＿＿＿すごい楽しい』



なんだろう、何か嫌な予感しかしない。



『ちょーっと、イルマくん。付き合ってね』



そう言うと、Aはイルマの身体を右に左にと振り始めた。



その後、アスモデウスから本気で止められるまで、Aの玩具にされるイルマであった。

4 食事→←2 迷い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す