47 家庭訪問 ページ48
「最悪だっ。」そう思いながらカルエゴは空を飛んでいた。
____遡ること数時間前
「カルエゴ先生には家庭訪問に行ってもらいます!!」
終末日前の最終生徒指導として、問題児クラスの家庭訪問を行うように言われたカルエゴ。多分、アホ理事長の思いつきであろうが、魔界は上下関係が厳しいので断れず、家庭訪問を行うこととなった。
あらかた回り終わり、次は奴の番だ。さっさと済ませて帰ろうと、門の前に降り立ち、インターホンを押せば、呑気な声が聞こえてきた。
『エギー先生、いらっしゃ〜い。』
重厚感のある扉が開き、応接間らしき部屋の中に通される。しばらくして、二人分の魔茶と茶菓子を持ったAが現れた。
『はい、じゃ、始めましょ。』
そう言いながらAは席に勢いよく腰掛ける。
「始めましょ、じゃない。保護者は?」
『仕事が忙しくて帰って来られないそうなので、ビデオ通話での同席です。』
モニターをつければ、そこには切れ長の目に、薄い唇、冷ややかな面持ちをした男が映っていた。あまり似ていないが、父親だろうか。
“「すみません、カルエゴ先生。直接お会いしたかったのですが、都合がつかなくて・・・」”
「いえ、気になさらないでください。」
あのエキドナ・Aの親だ。一筋縄ではいかないだろうと身構えていたカルエゴだったが、案外、すんなりと面談は進んでいった。
“「___ではカルエゴ先生、娘をよろしくお願いします。A、今回はちゃんと卒業できるように。」”
そうAを一瞥するとすぐに通話終了の画面になった。
「・・・。」
カルエゴの何ともいえない表情に気付いたAは、苦笑いを浮かべ、モニターの画面をオフにした。
『ま、エギー先生だし、いっかな・・・。___母は、エキドナ家の中でも自由奔放で・・・他の男を作って出て行ってしまいました。それから父は、ずっと仕事に打ち込んでるんです。ほとんど家には帰って来ません。』
『多分、私の顔が見たくないんだと思います。私が母に似てるから・・・。まぁ、こんな私でも何不自由なく養って頂けてるんで、何も問題ないで〜す。』
ハハハと笑ってみせたが、カルエゴの表情は厳しいままだ。
『(やだわぁ。自分から話したものの空気がおもーい。気まずーい。)』
そう思い、他の話題に変えようと、口を開きかけた時、
「本当に___大丈夫なのか?」
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ヒヨコ(プロフ) - 奇等生さん» 読んで頂き感謝です🙇 夢主ちゃんに絶対にダーリン呼びをさせる!という気持ちで作りました😏 (12月31日 0時) (レス) @page22 id: e4f287ed65 (このIDを非表示/違反報告)
奇等生(プロフ) - めっちゃ面白いです!夢主ちゃんのダーリン呼びはぅ!ってきました (11月26日 23時) (レス) @page38 id: f4fe6b043b (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 華さん» ありがとうございます🙇 (11月22日 21時) (レス) id: 025ddae4e2 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 全く同じ名前の人居てビビった。自分のどタイプの作品で、初めて見た時驚きました。他の作品も読んでみます!これからも頑張ってください、応援してます!! (11月21日 20時) (レス) id: e7080f896a (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 華さん» 読んで頂きありがとうございます。ご期待に添えれるように更新していきます😀 (11月18日 22時) (レス) id: 025ddae4e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2023年10月19日 19時