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44 旧友 ページ45

「シチロウ!!」




旧友に声をかければ、長かった髪は刈り上げられ、別の意味でイメチェンを果たしていた。




「おまっ、その頭・・・っ。・・・グッ、ちょっと・・・まて・・・」




全身で笑いを堪えるカルエゴ。




「カルエゴくん、昔から笑う時は全身で堪えるよねぇ・・・」


「___まぁ、前よりも堂々としていていい。なんせお前はバビルスでも唯一、俺と並ぶ。」




カルエゴはバラムの首元のファーを軽く弾く。そこには「8(ケト)」と書かれたバッジが光っていた。


 
守護の白鴉(ガーゴイル)」バラム・シチロウ。家系能力の虚偽鈴(ブザー)は、観察相手の嘘や不正を瞬時に察知することができる。テストの際は、生徒のカンニングを見張るため、この家系能力で、魔力を学校全体に水面のように広げて反応を察知している。




「いや〜、今回は全く行動が読めない生徒がいてね・・・____これだから生物は面白い・・・!!」


「は?」


「なんでもないよ。あぁ、そういえば、この前言ってたエキドナさんに会ったよ。面白い子だね。」




そう言えば、カルエゴは苦汁を潰したような顔になり、




「アイツは・・・よく分からん。真面目にやればいいのに、すぐサボろうとする。入試の時はほぼ白紙で爆睡していたが、今回のテストでは全教科合わせて学年8位を取ってきた。」




確かに、入試の時、一人だけ爆睡して、椅子から転げ落ちそうになっているのを目撃した。



「でも、あの子は素直な子だと思うなぁ。話してて一度も虚偽鈴(ブザー)が鳴らなかったよ? イルマくんと一緒で」


「ったく、アイツといいイルマといい、思い通りにいかん。」




カルエゴは不服そうに腕を組み直す。



“『え? エギー先生ですか?』”


“『尊敬してますよ? でも、ついつい弄りたくなっちゃうんですよねぇ』”




そう言っていたAの言葉を思い出したバラムだったが、これ以上、カルエゴの眉間に皺を入れないように、黙っていることにし、旧友を労るべく、魔茶を勧めた。




こうして問題児たちの試験は無事終了し、終末日が近づく。



_____

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ヒヨコ(プロフ) - 奇等生さん» 読んで頂き感謝です🙇 夢主ちゃんに絶対にダーリン呼びをさせる!という気持ちで作りました😏  (12月31日 0時) (レス) @page22 id: e4f287ed65 (このIDを非表示/違反報告)
奇等生(プロフ) - めっちゃ面白いです!夢主ちゃんのダーリン呼びはぅ!ってきました (11月26日 23時) (レス) @page38 id: f4fe6b043b (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 華さん» ありがとうございます🙇 (11月22日 21時) (レス) id: 025ddae4e2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 全く同じ名前の人居てビビった。自分のどタイプの作品で、初めて見た時驚きました。他の作品も読んでみます!これからも頑張ってください、応援してます!! (11月21日 20時) (レス) id: e7080f896a (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 華さん» 読んで頂きありがとうございます。ご期待に添えれるように更新していきます😀 (11月18日 22時) (レス) id: 025ddae4e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2023年10月19日 19時

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