自由人 頑張る

20 前夜祭 ページ21

師団披露(バトラパーティ)の前夜祭、Aは遊戯(ゲーム)師団のお使いのついでに、各師団の出し物を見て回っていた。どこもかしこも大盛況である。




「Aっちー！」




元気な声が後ろから聞こえてきた。振り返れば、たくさんの食べ物を抱えたクララが大きく手を振りながらこちらへと駆けてくる。買いすぎたようらしく、たこ焼きを一パック分けてもらった。




『クララのとこは魔具研だったよね？ 何の出し物にしたの？』


「えーとね、私たちの出し物は＿＿＿＿＿」




そうクララが言いかけた時、後ろから来たピンク髪に口を塞がれる。




「おい、秘密だと言っただろ。」


『えー、勿体ぶらずに教えてよピンクく〜ん』


「貴様もこの前から何なんだその呼び方は！ 私の名前はアスモデウス・アリスだ。」


『はいはい。』




横でブツブツとアリスが文句を言っているようだが、無視してクララに話しかける。




『ところでクララは何してたの？』




詳しく話しを聞けば、どうやらクララたちの師団の団長を探しているらしい。丸い眼鏡をかけた、今にも死にそうな男の子を見ていないか聞かれた。




『見てないなぁ。もし見かけたら、クララたちが探してるって言っておくね。』


『じゃあ、そろそろ帰らないとガチで怒られそうだから帰るね。師団の出し物頑張ってね〜。』


『バイバイ、クララ、アズアズ〜』




「なっ、貴様まで、その呼び方をするな！」と後ろでアリスが言っていたが、Aはクララがくれたたこ焼きを頬張りながら、人混みの中に消えていった。



＿

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