自由人 頑張る

1 探索 ページ1

今日は待ちにまった悪魔学校バビルスの入学式。




生徒たちは新しい学校生活に期待や不安で胸を膨らませながら、学校の門をくぐり、各々入学式の会場へと向かっていく。




しかし、ここに会場に向かう気がない悪魔が一人。




『よし！！ 探索♪ 探索♪』




バビルスの制服に身を包み、片手にはペン、もう片方の手には学校の構内図が握られていた。




『少しくらいサボったって、だいじょぶ。だいじょぶ。』


『どっから行くかなぁ。』




どうやら探索が完了した場所の構内図に印を付けているらしい。




『お次は中庭〜』




しばらく中庭を散策していると、たくさんの鍵がかかった大きな門の前に出た。




『う〜ん、これは流石に開けたら怒られそうな気が･･･。』




本能的に中に入るのはまずいと思ったのか、引き返し、別の場所を探検し始める。そして手に持っている構内図にあらかた印がついてきた頃、残りは屋上だけとなり＿＿＿＿＿＿




『(あとは･･･屋上だっけ？)』




羽根を広げ、屋上へひとっ飛び。




『わぁ、屋上すごい広くて、高〜・・・・いッ！？』




誰もいないはずと思っていた屋上で、一人の悪魔とバッチリ目があってしまった。




その悪魔は紫色の制服に身を包み、右手にタバコを蒸している。




＿＿＿あの制服･･･多分、バビルスの教師だ。見つかった。ヤバい。




とりあえず焦りながらも、体勢を整えるため、一度屋上に降り立つ。




そして、ローブの裾を持ち、後ろ足を少し下げ、昔教え込まれた自慢のカーテシーを行いながら一言。




『ごきげんよう。』




よし！相手はいきなりの挨拶に気を取られているようだ。ポカンとした顔をしている。




今のうち。




逃げよう。




そう一目散にダッシュしかけた時＿＿＿＿






＿＿＿「待て待て待て、なんでそれでいけると思った。」



＿

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