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32 条件 ページ32

_____ゴモリー家・本邸宅




バシンっ




大広間に乾いた音が響き渡る。




Aは頬を抑え、目の前の両親に向き直った。




「あなたの能力がありながら、どうしてミアがこんな目に遭うの!?」




自分の顔を叩いた母親は怒りで震えている。




「あの子を悪魔学校(バビルス)なんかに入れるんじゃなかったわ!!」


「あなたからも何か言って!」




さっきから何も言わなかった父が静かに口を開く。




「責任は取れるのか?」


『・・・責任ですか?』


「起こしたことへの責任だ」


「お前がよそ見をしなければ、ミアがお前を庇うこともなかっただろう。」




私には何も期待していないくせに、こういう時だけ責任を問いてくる両親に嫌気がさすが、ここで何を言っても火に油を注ぐだけだ。




『その件につきまして___』




Aはラミアが倒れてからずっと考えていたある提案をした。




面子が大事な両親にとって、ゴモリー家(心読み)の次期当主が無様にも素性も分からない誰かに遅れをとったなど、悪魔たちの恰好のネタになるのを許すはずがない。何よりもアトリの後ろに誰がいたのかが気になる。




話が終わったと同時に母親の甲高い声が再び広間に反響する。




「何を考えているの!?」


「そんなことを許すはずがないでしょ!!」




父を見れば、何か考えているようだ。




「・・・いいだろう。」




こんな時だけ利益と損の測り方が上手い父親だ。




「だが、もしその計画が失敗すれば____。」




何かに殴られたように頭から血の気が引いていく。




「____ゴモリーと名乗れなくなることも考えておけ。」




ゴモリー家から追放というのは、ただ単に追放されるのではない。私たちの持つ力は門外不出である。それゆえ、もし追放者が出た場合、代々追放者の持つ力を取り上げなければならない。




もし、追放処分なんかになればバビルスには戻れないだろう。どうやら完全に私の居場所を奪うつもりらしい。




『(まぁ、こんな脅し方は今に始まったことじゃないけど___毎回同じような脅し方で芸がなさすぎる。)』




そう心の中で毒づきながら、精一杯の困ったような顔を貼り付けて応じる。




『・・・分かりました。』




Aは深々と頭を下げた。


_

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ヒヨコ(プロフ) - SATUKIさん» 初コメありがとうございます!! そう言って頂いて嬉しい限りです🙇 こまめに更新とはいきませんが、最新刊が出るごとに必ず更新しますので、応援よろしくお願いします😊😊 (2月27日 2時) (レス) id: 86aab71ae2 (このIDを非表示/違反報告)
SATUKI - 初コメ失礼します!昨日この作品を見つけさせていただき今さっき、最新話まで読み終わったところなので感想を書かさせていただきました!めちゃめちゃ好みの作品なので、よかったら最新刊が出たらまた書いてくださると嬉しいです!素敵な作品をありがとうございました! (2月23日 18時) (レス) @page46 id: 4bb6778033 (このIDを非表示/違反報告)
寝子/猫 - ゴリゴリ楽しみにしときます!! (10月21日 0時) (レス) @page36 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 寝子/猫さん» お楽しみに😎 (10月17日 12時) (レス) id: 025ddae4e2 (このIDを非表示/違反報告)
寝子/猫 - 、、、もしやミアちゃん、、、いい子やったんか!!大丈夫や!きっと作者がなんらかの手を使って倒してくれるはずや!!(????) (10月17日 2時) (レス) @page30 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2023年10月4日 15時

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