平穏に生きたい 2

47 気配 ページ47

「な〜んか、イヤな気配は感じてたのよ。乙女ってそういうの敏感だから。」


「アンタが悪いのよぉ。ご機嫌に歩いてるところにちょっかいかけるから。ナンパ下手すぎよぉ。」


「強引なのはスキだけどぉ。ねっちこいのはキライなのよねぇ。で＿＿＿」


「なんだっけ？ むさくるしい･･･？」




ポロが天井に突き上げた男の顔が変化していく。




「六指衆(むさしのしゅう)ですよ。」




その男は以前ウォルター・パークで魔獣を解き放った六指衆の第一指、ウエトトであった。




「申し訳ありません。追い回すようなマネして･･･。ただお話をしたかっただけなんです。」


「ご興味ありませんか？」


「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿デルキラ様の復活について」




その瞬間、ウエトトの身体が廊下の至る所に叩きつけられる。さらに地面に叩きつけられたところで、ポロはウエトトの首を踏みつける。




「･･･よくも。＿＿＿よくも復活などと･･･。」


「まるでデルキラ様がもう、この魔界にいない(・・ ・・・・・・・・)とでも言うような口ぶり･･･。」


「恐れ多くも至高の存在＿＿＿現(・)魔王に対して最大級の不敬。」




ウエトトの胸に杖を食い込ませていく。




「あの御方の音として･･･このように不忠な心音は今すぐ止めるべきだろうよ。なぁ童。」


「大体あんたの音、ぐっちゃぐちゃで気持ち悪いのよ･･･」




ウエトトは薄く笑いながら空中に魔術で文字を書く。




“言葉選びを間違えました。お話ししましょう。”


”デルキラ様と再び会う方法について“


＿＿＿＿＿＿

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