*ラストフレーズ* 【しまさか】 (ページ5)

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そこには今までの風景の面影すらなく、瓦礫の山が広がっていた。

志麻がおーい。誰かいるかー？？

と言うも帰ってくるのは静寂のみだった。

『私たちだけ、生き残ったの？』

志麻「みたいやな。」

坂「もしかしたら誰か！！誰か生きとるんちゃうん！？」

志麻「これだけの瓦礫だ。

地下とか俺らみたいなところに避難しない限りそれは難しいやろ。」

『そんな…』

ねぇ神様。

私たち、なにかわるいことでもしましたか？

したならいくらでも謝ります。

いくらでも働きます。

いくらでも…いくらでも…なんだってするから…

『ごめんなさい…ごめんなさい…私達だけ、助かっちゃって…』

坂田「名前…」

志麻「…」

しばらく3人で方を寄せ合い、すすり泣く。

生き残っても、こんな悲しいなんて。

ならいっそ、死んでしまったほうが…

と、私がそこまで考えた時。

坂田「なぁ、あそこに人おらん？」

志麻「ほんまや。しかもざっと20はおる。」

坂田の指す方に目をやる。

そこには確かに人らしき動物がこちらに向かってきていた。

坂田「おーぃ！！！」

と坂田が大声で呼びかけるも、全くの反応がなく、

ただただこちらへと向かってきている。

志麻「なんやあいつら。」

坂田「えぇー。こういう時こそ助け合わんと行かんのにぃ。」

ようやく彼らが近づいてきて、もう少しで顔が見える。

と言ったところで

坂田「まって。これやばいやつかも知らん。」

そう坂田が視線を外すことなく言った。

志麻「どないしたんや？」

『なんかやばい感じ？』

坂田「あいつら、人間やないかもせーへん。」

「『え？』」

この状況かにおいて人間じゃない生物がいるのだろうか。

しかし、そんなことを考えている暇はなかった。

私はそんなに目がいい方でもないけど、それは直ぐにわかった。

彼らの手には、しっかりと黒光りする拳銃が握られていた。

『まって。これはほんとに逃げた方がええわ。逃げるで…!!』

坂田も志麻も私の意図が分かったようで、3人で走り出す。

後ろを振り返れば、何人かが走ってきていた。

坂田「え、これ絶対俺らなんか勘違いされて恨まれとるやつやん！！」

志麻「まぁでも仕方ないだろ。地球をこんなもんにしたのは紛れもない、俺らだ。」

『あんたら喋っとると舌噛むで。とりあえず逃げな。』

そしてまた、私達は走った。