*ラストフレーズ* 【しまさか】 (ページ4)

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やばいやばい！！！

え、なにあれ！！！

もう死んじゃうの？？

死にたくない！！！！

そんな焦った声が街を埋めつくした。

ウーウーウーウー

鈍くサイレンの音がこだまする。

坂「どうなっちゃうんやろ。俺ら。」

坂田がぽつりと呟く。

その声はあまりにも消えそうで

いつもの彼の様子からは到底想像出来ないものだった。

『分からへん。けど、なんとか生き延びんと。』

こんな言葉は無駄だって分かってる。

でも、私だってこんな現実、認めたくない。

社会の時間に習ったような、そんな世界を変えようと人間が世界を変えた産物だ。

前にならえでずっと同じ日を繰り返して

なんて、人間には無理だったんだから。

志麻「とりあえず、絶対に逸れるなよ。一緒に行動だ。」

相も変わらずサイレンは人々の焦燥の念を募らせている。

もうどうすることも、

この状況を打破することなんていくら希ったって出来やしないのに。

志麻「とりあえずここを離れよう。人もビルも多い。下敷きなんてゴメンだからな。」

坂「そうやね。」

そうして私達は隕石の衝突による二次災害に備え、

たまたま見つけたコンクリート製の倉庫に身を置いた。

冷静に見えるかもしれないが、本当は内心焦っているだけでなく、泣きそうだ。

昨日まで、いや、今日の朝までいつもと一緒だったじゃないか。

なんで、そんなにも簡単に変わってしまう日が来るんだろう。

坂田「名前。まぁた眉間にしわ寄せて！！
こんな時にそんな顔してたら気が滅入っちゃう！！」

志麻「そーだぞ。今朝きぃつける言うとったやん。全然治らんな笑」

『うるさい』

なんでこの2人はこんな時もいつも通りでいてくれるのだろう。

すると、後ろから不意に抱きしめられた。

志麻「大丈夫や。俺が守たる。」

坂「俺もついとるから。な？」

そう言って坂田も抱きしめてくれた。

『ぅん。ありがとう。』

程なくして、ものすごい揺れと轟音が私達、
もとい地球を襲った。

それは多分一瞬のことだったんだろうけど、

私には何秒にも、なんなら、永遠にさえ感じられた。

坂「…親父…。」

坂田がそう、呟いた。

しばらくして、音も揺れも収まり、私達は恐る恐る建物からでた。