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「24時間テレビ、ですか?」


『そう、決まったの。羽生さんと清塚さんと共演よ。』


良かったわね。とクスクス笑う声が電話の奥で聞こえる。マネージャーの佐久間さんからの電話だ。

影響力のあるテレビ番組で、更に影響力のある人とのコラボが決定したらしい。


『で、やるの?やらないの?』


ここで断るバカがどこにいる。


「全力でやらせていただきます!」


返事を聞くと佐久間さんが、今から詳細送ると言われ電話を切る。するとすぐに佐久間さんから詳しい日程や企画内容がメールで送られてきた。


駆け出しの私にとってチャンスでしかない今回の企画。期待を胸に、北海道へ行くための準備を始めた。

















1週間が経ち、私と清塚さんは北海道に来ていた。





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訪れた厚真町の吹奏楽団の皆さんはもうすでに練習を始めていた。



皆さんから、少しお話を聞いた後、私達も参加して練習をスタートする。


どうやらみんな気持ちは一つのようだ。


練習中、清塚さんは全員に的確なアドバイスをし、私はたまに、ここはもっとこう歌いたいとか。もう少し弱めてほしいとか。

自分が作った曲をいいことに口を挟ませてもらっている。



回数を重ねるたびにみんなの思いがどんどん交差し、更に重みが増していくのがよくわかった。





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暫くして羽生さんも北海道入りをした。

それは、全体練習がスタートする知らせでもある。









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「プロ意識が高いから、少しきつい言葉が出るかもしれないけど。彼も本気なだけだからね。」


練習後、清塚さんに声をかけられた。


「いいものにするためなら、どんな言葉も受け止めます。その覚悟はできてるので。」


ついていきます。と更に加える。

羽生さんも私も、吹奏楽団の皆さんも、清塚さんだって。いいものにしたい気持ちはきっと同じだ。





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この曲で誰かを救えるなら、

それは本望だから。









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「いっ、てて…」




あの日ついた傷が痛んだ。









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作者名:ふーか | 作成日時:2019年8月26日 11時

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