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「廉……」
勇太「なんだよお前かよ」
廉「ん？…あ、Aまた会ったな」
勇太「気安く、Aに話しかけんな」
廉「A、神宮寺と付き合ってんの？その手」
「へ？」
廉に勘違いさせたくなくて離そうとしたら、強く勇太に握られる手
勇太「そうだけど？」
廉「っ…そうなんや」
「違うっ、廉」
廉「ええよ、否定しなくて。俺には許嫁が居るしな…」
廉が一瞬見せた悲しい顔が忘れられない
勇太「トップの御曹司は大変だな。じゃあ、行こうかA」
「うんっ…先行ってて、すぐ追いかけるから」
勇太「すぐ来いよ」
勇太は渋々先行ってくれた
廉「行かなくてええの？」
「ごめん…廉の悲しい顔が忘れられないの……許嫁居るんだ…」
廉「まぁ…な。俺がもし神宮寺みたいにAと小さい時から出会えてたらな…なんてな。っておい、なんで泣くんや！」
「わがんない…うぅ…」
廉「おいで、ほら」
ぎゅっと廉の腕の中に閉じ込められる
廉「Aともっと早く出会いたかった…」
「廉……」
廉「しょうがないんやけどな、これが御曹司っていうもんや…やから、A、泣かないで。俺まで悲しくなるから」
「うん……」
蒼「廉様、失礼致します。そろそろアメリカの支社とミーティングの時間が…」
廉「おう、分かった。…じゃあ、A」
と言って体を離して、私の目線に合わせて少し屈む廉
廉「また明日な」
「うん」
くるりと後ろを振り返って、衣更月さんと歩く廉
『これが御曹司っていうもんや』
廉が私を笑顔に出来ても、私は廉を笑顔にすることが出来ない…
私は勇太のとこへ向かった
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作者名：YUKI
| 作者ホームページ：https://twitter.com/YUKI__Uratsuku
作成日時：2019年5月17日 21時
