Candle 【Ryosuke.Y】

■Last Candle ページ9

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それから2週間ほど経ってからだった。








ドラマ撮影がスケジューリングされた時刻よりも早く終わり

マンションに戻るとポストに不在届が挟まっていた。









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苗字が変わったAの名前が記載されていて

スマホをとりだして再配達をお願いする。









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丁度、行ったばかりだったらしく顔を洗うと

すぐにインターホンが鳴って、







いつもの宅配屋のお兄ちゃんが小さな小包をくれた。









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結婚祝いのお返しだろう。









綺麗にラッピングされたリボンや包装紙を外し

中身を取り出すと、甘い香りがふわっと鼻をくすぐった。









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涼「キャンドル……か。」









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ちょっとお高めのアロマキャンドルのセットで

つけたばかりのリビングの明かりを消した。









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そして、煙草用のライターをポケットから取り出して

火を灯すと柔らかいオレンジ色の光が部屋を染める。









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涼「幸せのおすそ分け、俺にもくれるのね。」









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閉じた瞳の奥にはついこの前の真っ白な君の姿が浮かぶ。

それと同時に、あの日の悲し涙を零した君も。









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でも、悲しみはもういらない。

もう、嬉し涙のAだけを覚えておけば十分だ。









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揺れる灯を見つめて俺は改めて願った。









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昔とは全く同じ……何ていかないけど

少し変わった関係になってしまうけれど








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遠くから心の底から、俺なりに君を想っていると。

もし、君が辛くなった時は“友だち”として支えるよ。









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まぁ、そんなことにならないように願うけどね。









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いつの日も君が笑って過ごせますように――――……








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End...

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