Candle 【Ryosuke.Y】

■Candle...2 ページ2

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涼「何か、急に気になってさ。

何してんだろう…………って、お取込み中?」









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電話の向こうで聞こえたのはAに話しかける男の声。









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新しい相手を見つけるには十分すぎる時間が流れてたか。









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相手に反応するAの声は俺の時と同じ。

優しいトーンで、すぐにあの笑顔を浮かぶ。









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きっとどこかで期待してたんだ。









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時が解決してくれるんじゃないか。

時が変われば、俺らはまた戻れるんじゃないか。









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そんな甘い考えが俺の中には会ったけど

君の中にはなかった、ただそれだけ。









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((あのね、涼介。))









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涼「ん?」









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((私ね……結婚するんだ。))









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俺が叶えてあげられなかったことを

今、君の傍にいる男はいとも簡単に叶えてしまったか。









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“彼女、やっていけない……って、嫌いになったってこと?”









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“ううん、好きだよ”









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“じゃぁ、何で……”









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あの時のAの涙は綺麗すぎて、今でも覚えている。

ぽろっと零れた涙を自分で拭うと、微笑んで俺に言ったんだ。









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“好きだから……不安になるの。信じてないわけじゃないよ。

ただね、そろそろ安心したいけど……それは無理でしょ?”









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それは遠まわしに“結婚”を意味した言葉だと

男の俺でもすぐに分かった。









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Aとの結婚を拒む理由は無かったけど

Aとの結婚を阻むものは沢山あった。








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仕事が軌道に乗り始めたその時はJUMPにとって大事なときで

ここで頑張らなければ、きっともう……チャンスは来ない。









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そんな時だったから……









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Aもそれを分かっていた。

でも、彼女も彼女で急ぐ理由があったんだ。






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