【男主】乙ゲー苦手な俺が何故かうたプリの世界に転生してしまったんだが (ページ34)

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Music33 ページ34

「記憶…が？」

「ああ、朝起きたらきれいさっぱり忘れちまってた。俺の名前とか周りの人の名前くらいならまだ大丈夫なんだが、他はてんでダメ。この世界のことも、もうほとんど覚えてないんだ」

俺からの思いもよらない告白に、美風は目を丸くした。

それから顎に手を当てて考え込むようにして、何やら小さく呟いている。

「記憶……メモリーの不具合？もしかして何かシステムエラーが＿＿＿＿」

それらのセリフが一体何を表しているのか、俺には見当もつかなかったが、とにかく非常事態だってことは確からしい。

嘘を吐いたといえばそうだ。

でも、全くの嘘って訳でもないだろう？

だって、この世界のこと全然知らないんだもん、俺。

転生者だって突拍子もないこと言うよりかは、こっちの方が話が円滑に進むってもんだ。

「美風、教えてくれないか。俺が何者なのか、さっき何の前触れもなしに倒れた理由も…お前、全部知ってるんだろ？」

しばらく黙っていた美風。

そして顔を上げると、彼はまさに『突拍子もない』ことを言い出したのだった。

「A、よく聞いて。

　君はボクと同じ……ヒトの手によって作られ、使命を持って生まれた

　ロボット、なんだよ」