Music32 ページ33
時間にして、5分くらいだろうか。
やっと落ち着いたのか、美風は俺から身体を離した。
息を乱していたようだったけど、それには敢えて触れないようにした。
「ちょっと………もう頭は撫でなくていいんだけど」
「あ…悪い」
むすっとした表情でそう言うから、俺の知ってる美風に戻ったと安心する。
ずっと俺がそのさらさらした髪を触っていたのが気に入らなかったのか、「…馬鹿」と悪態をつかれた。
可愛いな…美風。
もちろん変な意味じゃないけどさ。
………変な意味じゃないからな??(2回目)
◇◆◇◆◇
「…なあ、美風」
俺は、意を決して美風に問いかけた。
これから俺が、音羽として生きていくためには、もっとこの人間のことを知る必要がある。
ましてやこの音羽A、謎がかなり多い。
そしてその秘密に一番近しいと思われるのが、この美風藍だ。
この2人きりの場は、願ってもない好都合。
こうなったら洗いざらい話してもらおうか、音羽Aについて。
「俺、記憶を無くしたみたいなんだ」
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蒼乃 | 作成日時:2020年6月10日 21時