検索窓
今日:15 hit、昨日:8 hit、合計:20,102 hit

Music30 ページ31

朦朧とする意識の中、美風の透き通った声が俺を呼ぶ。


でも身体がめちゃくちゃ重くて、やっぱり思うように動かない。






「み、かぜ………?」

「声帯も体も、まだ思い通りには動かない、か……リスタート(再起動)にはまだ時間が要りそうだね」





美風の声には、様々な感情が垣間見えた。


怒り、悲愴、不安………俺が感じられたのはこれくらいか。


上司の顔を窺うのは得意で、いつもしてたから、こういうのは半ば反射神経のようなものだった。


仕草とか、表情とか、声のトーンとか色々なものを総合的に見て……って、それは今はどうでもいいか。





「ねえ………自分が何しでかしたのか、ちゃんと分かってる?」

「俺、は…収録中に倒れて」






「そうだよ。今回は生放送じゃなかったから良かったものの、それが一体どれだけの大勢の人に迷惑かけたと思ってるの?」






美風の言うことはもっともすぎて、俺に反論の余地は無かった。


直前まで元気だったとか、気づかなかったとか、この際そんなことは関係ない。


大切なのは結果だ。


俺は収録の最中に倒れて、スケジュールを台無しにした。


その“結果”が、大きくのしかかってくる。


とにかく今は、謝罪するしか俺にできることは無い。





「ごめん…美風、俺___」







すると、不意に美風は









俺を、優しく抱きしめたんだ。

Music31→←Music29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:うたプリ , 転生 , カルナイ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼乃 | 作成日時:2020年6月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。