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Music14 ページ15

これまた白を基調とした服に身を包み、俺は移動用の車に美風藍と共に乗り込んだ。


外に出てからやっと分かった。


俺はずっと、早乙女学園の寮の中の部屋にいたんだと。


きっとあそこに住まわせてもらってるんだろうな、音羽A。生徒でも無さそうなのに。


画面越しにしか見たことないけど、あのクレイジー社長が住むことを許してくれたんだろうか。


またあの沈黙が流れるのを恐れて喋らなかった俺だが、聞きたいことは山のようにある。


まず仕事って簡単におっしゃいましたけど、仕事って具体的に何やるんすか。


俺、マジで不安しか無いんですけど。



「今日もボクが付き添ってあげられるから、安心して歌ってきて。その後はもうあの部屋でゆっくりしてていいよ」



…あれ、一日の仕事は案外少ないんだな。


もしかして、俺ってそんなに売れてない?


そうも思ったが、絶対、ほぼ間違いなくそんなことはない。


だってさっきから



『あの超人気“Sacred idol”こと、音羽Aの新曲アルバム、遂にリリース!!』



とか、車のラジオから何度も何度も聞こえてくるし。


俺の部屋にあったあのデカいポスター。


あのビジュアルが更にビッグサイズにされて、ビルに貼られてんだもん。


ヤバい、なんか急に緊張してきた。


大物企業へひとりで営業しに行った時より緊張してるかもしれない。


相変わらず分かりにくい喩えだな…俺やっぱ語り手に向いてないかも。

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作者名:蒼乃 | 作成日時:2020年6月10日 21時

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