【男主】乙ゲー苦手な俺が何故かうたプリの世界に転生してしまったんだが (ページ1)

今日:43 hit、昨日:8 hit、合計:20,130 hit

《序章》“WHITE” Element ページ1

生前、俺はしがないサラリーマンだった。

都内マンション1DK住み、給料も安定して貰っていたし、別に今の生活をもっと良くしたいとも思わなかった。

配偶者はいない。分かりやすく言えば独身だ。

結婚していれば毎日少しは楽しかったんだろうけど、恋愛なんて面倒事に片足突っ込んで人生棒に振るくらいなら、俺は1人でいい。

好きに生きて、好きに死ぬ。

それが俺の、雑な人生設計だった。

好きな物、というと一番に出てくるのは『仕事』だが、強いて二番目に言うのなら『二次元』。

ワ○ピースとかヒロ○カとか、そういう少年漫画が好きだった。

自分の絵に書いたような社畜生活とは正反対のストーリーだからこそ、惹かれたんだと思う。

単行本も全部揃えて、グッズなんかに手を出したりもした。

単調な俺の毎日の、小さな楽しみでもあった。

◇◆◇◆◇

そんな俺の終わりは、あまりに呆気ないものだった。

なんてことはない、ただの交通事故だ。

痛みは感じなかった。

最期に聞こえた、けたたましいクラクションの音だけがやけに耳に残っている。

享年37歳。

そりゃあ、こんなストレス溜まる生活してたら早死するだろうとは薄々思っていたけど、まさか40にもならずに死んでしまうとは。

さすがに50までは生きさせて欲しかった。

だってまだ、ワン○ースだって○ロアカだって完結してないじゃないか。

せめて好きだった作品が最終話迎えるまでは生きていたかったなあ、なんて。

今更思ったところで、アフターフェスティバル(後の祭り)なんだがな。

…ああ、長話が過ぎたか。すまない。

俺のクソどうでもいい人生譚はこの際置いておこう。

ここからは、俺の死後の話だ。