98 ページ3
Aside
『貴女と共に薬作りをする予定の、蟲柱 胡蝶しのぶの為に作って欲しいんです』
「蟲柱さん…?」
『彼女が毒を作って鬼狩りをするのはご存じですか?彼女は力が足りなくて頸が斬れないんです
彼女は姉を殺した鬼の仇を取るために、自らの体を削って藤の花の毒を一年程飲み続けていました
…自らを犠牲にして、鬼を殺そうとしているんです』
「…そうなんですね」
眉を下げて悲しそうにしている珠世さんに尋ねる
『そこで珠世さんに改めて頼みたいんです。珠世さんはしのぶの現在体内にある毒と同じくらいの毒を作ることができますか』
少し考え込んだあと
珠世さんは柔らかく微笑んだ
「可能ですよ、是非とも私にもやらせてください。少しでも手助けをしたいのです
貴女にも炭治郎さんたちにとっても大切な人なのでしょう…とても伝わってきます」
意外にもあっさりと承諾してくれた珠世さんに『ありがとうございます』と微笑む
『最終決戦までに間に合いそうですか?鬼を人間に戻す薬の方もあるでしょうし』
「えぇ、鬼を人間に戻す薬の方は禰󠄀豆子さんに協力してもらっていたのでもう少しです
あとは薬の掛け合わせなどありますが蟲柱さんにも手伝って貰えれば順調に完成するかと」
『そうですか、』と安堵のため息をついた時にふとある考えが頭をよぎる
『珠世さんは人間に戻ろうとは思わないんですか?』
すっとこちらを向いた珠世さんの眉は悲しそうに下げられていた
「えぇ…私は沢山の人達の命を奪ってしまいましたから…私の夫と息子さえも
そんなことをしておいて私だけがのうのうと日の下を歩くなんて私が許せないのです。
愈史郎ならば本人が望めば戻しますが、私は戻りません」
「私は無惨と共に死に、地獄で罪を償ってきます」
『…珠世さんがそう決めたのであれば私は何も言いません』
『ただ、』と呟いた私に珠世さんが不思議そうに少し首を傾げる
『私は貴女に生きていてほしい』
戸惑うような空気を纏った珠世さんを視てふふっと笑う
『独り言だと思ってもらって構いません、言っておきたかっただけなので』
「…そんなことを言ってもらえるだなんて思っていなかったもので…やっぱり貴女は優しいですね」
珠世さんは優しく微笑むと「貴女方が望んでくれるのであれば来世で会いましょう」と
『そうですね、遠くはなりそうですけど』
165人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#蛍(プロフ) - 楽しんでもらえて嬉しいです!大分時間も出来てきたので更新していけると思います…!これからも頑張りますのでよろしくお願いします!! (3月12日 9時) (レス) id: 8bcba223d3 (このIDを非表示/違反報告)
るー - いつも楽しく読ませていただいています。本当にこのシリーズ大好きです!お忙しいとは思いますがまたの更新を楽しみにしています!! (1月15日 20時) (レス) id: 98af811556 (このIDを非表示/違反報告)
#蛍(プロフ) - Lunaさん» お話大好きと言ってもらえてとても嬉しいです!胸キュンして頂けて良かったです🥰 (2023年2月27日 14時) (レス) id: 985513302e (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - お話大好きです!!胸キュンさせていただきました🥹💕 (2023年2月1日 18時) (レス) @page17 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
#蛍(プロフ) - Lunaさん» はじめまして!コメントありがとうございます!!いやあもう胸キュンしていただけるのは嬉しいです!!冨岡さんはイケメンなので書きやすいです笑こちらこそ読んでいただきありがとうございます! (2022年12月5日 19時) (レス) id: c3b6655689 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蛍** | 作成日時:2022年10月2日 1時