参．10人目の雪柱

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Aside


翌日の早朝、私は産屋敷家を訪れ、「当て」の人たちの元へと来ていた


………まぁ「当て」とは言っても、まだ会ったことはないがな






「当て」というのは


人を喰わない、そして鬼舞辻無惨を抹殺しようと考えている鬼

「珠世」と「愈史郎」だった



お館様によるところ、医学や鬼の身体に精通しているらしく人間に戻る薬などに対して協力してくれるらしい


しのぶの他に頼れる薬学に精通した人はこの人たちしかいない、


そう思ってここに来たわけだが…やはり緊張するものだな


いくらいい人達だと分かっていても






この人たちは今までの鬼とは、違う

腹の底から湧いてくる感情を抑えつけ、恐怖を与えないように感情を制御する



一つ深呼吸をして、震える手でその戸を軽く叩いた


中の動きが一旦止まった後に、硬い声で返事が返ってくる

「…どちら様でしょうか」


『朝早くからすみません、鬼殺隊 雪柱の雪ノ谷Aと申します

今朝は貴女方に頼みたいことがありまして訪ねた限りです』


「頼み…とは何なのでしょうか」


『あまり大っぴらに言える内容ではないのです、出来れば対面で話したいのですが』


そう言うと少し立ってから控えめに戸が開いた

「……貴女は誠実な方なのですね、私達の正体を知っていながらも丁寧に接して下さる…

産屋敷の方に聞きました、炭治郎さんの姉弟子の方だと」



『随分と炭治郎に信用を寄せていらっしゃるんですね、貴女から見ても炭治郎はいい奴であると』


ふふっと笑ってそう言うと珠世さんも「そうですね」と控えめに笑った



和やかな空気なったところで中に案内される

どうやら愈史郎君はいないみたいで、少し安心する

『(いたら色々と言われそうだからな、炭治郎に人柄は聞いているし…)』



向かい合って座ったところで話を切り出される

「それで…頼みというのはどういったものでしょうか」


『…単刀直入に言いましょう。毒を作って欲しいんです、鬼を殺せる毒を』


私の言った言葉に珠世さんは目を丸くした


「毒…ですか？貴女は毒がなくても殺せるのでしょう？斬る方が確実であると思いますが…」


『確かにそうですね、その毒を私が使うとなればそうでしょう、しかしながらその毒は私の為に作って頂きたいのではないんです。』


困惑したような顔をする珠世さんに一から説明をする

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