【HQ】Call

着信11 ページ11

＊

大丈夫だろうか、あの作戦。

「あー、ちょっと！そこの！烏野の！メガネの！
ちょっとブロック飛んでくんない？」

月島くんは、振り向く。
いや、もう正直に白状すると、ものすんごく不安。

月島くんは烏野(ウチ)のイケメンで女子に有名だし、飛雄や翔陽いはく『性格わるい。口わるい。』とかなんとか。
進学クラスで頭いいし、こんな単純な手にひっかかるかなぁ

それだけが、不安。

クロのこの作戦の理由聞いて、面倒見の良いクロっぽいけど…
いくらなんでも、『翔陽(チビちゃん)に負けちゃうよー』とかで釣るのは、無理なのでは？
月島くんのことを全然知らないからどうかわかんないけど。

ってきたよ。

「月島くんだ。
本当に釣れたんだね、クロ、不可能だと思ってた。」

予想に反して、月島くん、負けず嫌いっぽい。
負けず嫌いはもういいんだけど…(翔陽に飛雄)

「たっ」

忘れた頃にやってくる、クロのチョップ。
ガキん時からこう、いたい。

「なんで？！」
「無表情で突っ立ってるから」
「ひどい！！」

月島くんの方を見ると、『理解不能』って見られてる。
せっかくだから、挨拶しましょうか。

「えぇ、はじめまして？かな…一年三組の孤爪Aです。」

月島くんは、軽く、眉間にしわを寄せた。
あ、そっか、学校名入ってねーや。

「烏野高校一年三組です。」
「え」

誰かと誰かの声がハモった気がする。

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