第二三話「傷」 ページ24
俺がAの名を言えば面白いくらいに顔が歪んだ鱗滝。こっちが本当のお前か。会った時から違和感があって仕方なかった。
やはり俺の勘は鋭かった。鱗滝はAが惚れた男だ。あの話から考えるとAはこいつを守ってあの傷を負った。こいつはAが生きてるとも知らずに、面影だけを追いかけてんのか。
なんて地味な奴だ。
「…今、Aと言ったか」
「ああ、言った。お前の同期だろう」
俺は淡々と答えれば鱗滝は拳を強く握りしめた。そして俺の胸倉を掴もうとしたが俺は避けた。青筋を額に浮かばせ、怒りを俺にぶつける。
「なぜ死んだAの名前がお前の口から出てくる…！」
今にも刀を抜いて襲ってきそうだ。Aになるとこうなるのか。なんだ、こいつもあいつに想いを寄せてるのか。俺はフッと笑う。俺は負けねえぜ。Aが生きて、お前のせいで傷が増えた事も知らねえ男に。
「あいつは生きてる。俺の嫁になるのさ」
俺がそう言えば鱗滝は目を見開いた。握りしめた拳を振り上げないのは褒めてやろう。この宇髄天元に敵うと思うな。
「嫁…！？」
「今はまだな。いずれ俺の嫁だ」
だから、手を出すんじゃねえ。その意味を込めて睨みつけた。だが臆する事もなく鱗滝は俺に刃向かうのだ。
「今Aは！？どこにいる！」
「さあな。自分で探せ。俺が言えるのはAは生きてる。それだけだ」
簡単に教えるか。鱗滝は胸元を抑え歯をくいしばる。お前が探し出せ。Aはずっとお前の事を想い待っていた。お前に、あいつの辛さが分かるものか。俺の嫁になればそんな悲しみなくさせてやるのに、お前が現れた。
お前に、お前がつけたAの傷を癒すことができるのか。
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❤︎ - 面白かったです〜！！！最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜！！何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです！待ってますね。 (8月24日 21時) (
レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです！！！更新待ってます！！！！！！！！ (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き！続きはどこ？！ねぇ？！（（やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます！！ (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり！？更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2019年11月17日 20時
