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第十一話「なりそこない」 ページ12

「…」

早く答えろとでも言うように、右腕を強く捕まれ身動きが出来ない。右腕には既に神経は通っていないので痛みなどは感じないが、これでは逃げれない。こんなに原作のキャラと近いのに素直に喜べないのは不思議だ。

「離してください」

「離せばお前は逃げるだろ?」

もう、私は原作のキャラとは関わりたくはないのだ。私は既に右腕を失いできることも最早何もないのに、どうして神様はこう巡り会わせたがる?私にどうしてほしいというのだ。

私は大きなため息をつく。抵抗するのをやめれば、宇髄さんも手を緩めたのが分かった。

「…お話しします。ですが、ここでは話せません。私について来てください」

呼吸を見られてしまっては仕方がない。だが、どこで誰が聞いているのか分からないので店へ行くことにした。ここは花街。男が女の部屋へ行くことは不思議ではない。
宇髄さんは目を細め私を探るようかのように見つめたが、大人しくなった私を見て了承した。

私は裏道を抜け店の裏口へ立つ。一歩後ろをついて来た宇髄さんは店を見上げると驚きもせず、店の中へ入っていった。

「ずいぶん大胆だな、俺を店の中へ入れるとは」

「こんな傷だらけの身体、相手にしなくていいですよ」

部屋へ招き入れると嘲笑うかのように宇髄さんは笑った。私はそれを無表情で見つめ、畳へと座る。宇髄さんも私と面を向かって座った。

「もう任務はよろしかったのですか?」

「ほお、任務ってよく分かったな」

宇髄さんは肘を立て胡座をかきまるで我が部屋のようにくつろぐ。未だ黙っている私にまあいいと宇髄さんは答えた。それも含め、全て包み隠さず話せと言われた。嘘を言えばこの人は見抜ける。私は記憶喪失とでも言おうかと思ったけれど、ここまで言ってしまっては逃げれないだろう。

私は覚悟を決めて口を開いた。

「…私は、最終選別に落ちた鬼殺隊のなり損ないです」

「…なに?」

包み隠さず言ったはずなのに、宇髄さんは顔を顰めた。

第十二話「また来るなんて」→←第十話「派手なやつ」



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❤︎ - 面白かったです〜!!!最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜!!何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです!待ってますね。 (8月24日 21時) (レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!!!!!!! (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き!続きはどこ?!ねぇ?!((やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます!! (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり!?更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 | 作成日時:2019年11月17日 20時

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