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第九話「久方ぶり」 ページ10

無事醤油を買い店に戻ったのはいいが、朝見た鬼殺隊のことが忘れられない。もしこの花街に鬼がいるとしたら、任務として鬼殺隊がここに来ることはあり得る。

時は夜。私は誰にもバレぬよう布団から抜け出し、裏口から店を出た。どうしてもあの鬼殺隊のことが気になり寝付けないのだ。鬼は夜に活動するのだから、鬼殺隊も夜に活動する。花街の夜は明るく鬼もやすやすと出れないはず。

私は大通りとは真反対の裏道を通りあの鬼殺隊を探した。それでもこの広い花街から見つけるなんて無理な話で、私は裏道で途方にくれていた。

やはり、私の深読みかもしれない。お店の人も私がいないことに気づいてるかもしれないし、店へと戻ろう。私は裏道に戻って店へと戻るが、ツンと生臭い匂いが鼻をかすめた。この匂いは以前嗅いだこのある匂いだった。忘れるはずがない。その匂いは私からしたことのある匂いだったからだ。

私は気づけば走り出していた。匂いの方向へと足は向かい生臭い匂いが強くなったところで足は歩き始めた。背中を向けてこちらに気づいていない男の人がそこにはいた。肉を貪る音、血生臭い匂いが鼻の奥をツンとさせる。

やはり、私は間違っていなかった。

「鬼…」

そこには、鬼がいた。食べているのは、もう既に原型は無かった。でも服を見れば分かった。あれは鬼殺隊員の服だ。側には日輪刀も落ちている。きっとあの街で見かけた人だろう。その人は今鬼に喰われてしまった。

「ああ?なんだお前」

鬼は私に気づくとゆっくりと振り返る。青白い肌。口元にはべったり赤い血が付いていた。それでも私の心は冷静だった。今まで血を見てしまったら叫んでしまうほど怖かったのに。

「女か。しかも若い女。ちょうどいい。硬い肉で不味かったんだよ。
今日の晩飯はお前だ…!」

そいつは立ち上がると真正面から襲ってきた。手鬼に比べればどうってことない鬼だ。私は落ち着いたままその鬼の攻撃を避け鬼の頭上を跳んだ。そのまま床に転がった刀を利き手とは反対の手で握った。

ごめんなさい、この刀、借りますね。

「なに!」

鬼はひどく驚き私を見つめた。私は刀を握りしめて呼吸を吸った。思い出せ。水の呼吸を。



【水の呼吸 肆ノ型 打ち潮】

第十話「派手なやつ」→←第八話「鬼が出る」



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❤︎ - 面白かったです〜!!!最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜!!何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです!待ってますね。 (8月24日 21時) (レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!!!!!!! (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き!続きはどこ?!ねぇ?!((やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます!! (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり!?更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 | 作成日時:2019年11月17日 20時

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