第二一話「その名前」 ページ22
「…」
鬼の兄弟なのか。弟を守るように現れた兄の鬼。だからこの短期間であれだけの人を攫ってこれたのか。余計、腹が煮えくりかえった。俺たちの絆を殺しておいて、お前たちはのうのうと兄弟仲良く人を貪っていたのか。
「お前たちなのか、人を喰らっていたのは」
「そうさ。この街の人間は大金持ちの家ばかりだからな。肥えていてとてつもなく美味しかったぜ」
俺はそれだけを聴くとそうかと答える。それだけ聞ければもう何もいらない。お前たちが地獄に堕ちればいい話。俺は刀を構えて一気に走り出す。弟が手を翳せば手からは何やら触手のような幹が生えた。俺はそれらを避け刀を振るっていく。その幹の影から兄鬼が姿をあらわす。
なるほど、弟は遠距離で兄は近距離か。
あの音柱は何処へいったんだ。肝心な時にいやしない。俺は歯を食いしばって兄の攻撃を避け、弟の触手を斬っていく。強い。強いが大したことはない。俺一人でもやれる。俺はスゥと空気を吸う。弟と兄、一緒に首を斬ってやろう。
「なに！」
俺は兄の方の腹を蹴り飛ばす。蹴り飛ばした先には弟の鬼。そのまま二人はぶつかりバランスを崩した。その隙を俺は見逃さなかった。
【水の呼吸 壱の型 水面斬り】
俺は技を使い鬼の兄弟の首を両方とも跳ねた。その瞬間崩れ落ちる鬼の身体。今度兄弟一緒に生まれてくるときは、鬼にならぬように。俺はその思いを込めて合掌をする。人を喰ったことは許されない。だから、地獄で罪を償うんだ。
俺は刀を鞘へ納めると、屋根の上からほぉ〜と感心するような声が聞こえた。その声に俺はハッとし屋根の上を見つめた。
「なるほどな、お前、柱になれるぞ」
宇髄天元だ。まさか、最初から俺のことを見ていたのか？ならなぜ黙って俺のことを見ていた？こいつは柱だろう。
「さっきから俺に何の用だ。言いたいことがあれば言え」
「お前こそ口の利き方には気をつけろ、俺は柱だ」
宇髄天元は俺の前へ降り立ち見下ろす。俺も背は高い方だがこうも見下ろされると腹がたつな。俺は睨みつけていると宇髄天元は、口を開いた。
「なんでこいつにAは惚れたかねえ…」
「…なに」
俺はその名前を聞いて驚いた。A？今こいつはAと言ったか？
なぜ、死んだAの名前がこいつの口から出たんだ
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❤︎ - 面白かったです〜！！！最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜！！何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです！待ってますね。 (8月24日 21時) (
レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです！！！更新待ってます！！！！！！！！ (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き！続きはどこ？！ねぇ？！（（やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます！！ (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり！？更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2019年11月17日 20時
