第十九話「出会い」 ページ20
Aを好いたのは、強い女だったからだ。
最終選別で鬼に貫かれた右肩、刺された頬。あいつは俺に言っていないがきっと人を守ってできて傷なのだろう。その傷を誰が醜いと言うのか。俺は派手物が好きだ。奴の傷はどの宝石よりも輝いて見えた。
「はぁあ〜…」
俺は大きなため息をつく。こうもA不足だとどうにかなってしまいそうだった。あれから一年ぐらいは時が過ぎただろうか。柱になれば忙しく偵察範囲も広がる。そのせいでAに会えてない。
あーあ、会いてえな。嫁にも癒されたいし。
今夜は合同任務。今その相手を待っているわけだが、いつになってもきやしない。この音柱を待たせるなんていい度胸してる。
近頃の隊士はなってねえな。次から次へとバタバタ倒れて行きやがる。
「すみません、遅くなりました」
苛立っていたからか、反応するのが遅れた。俺は叱ってやろうとそいつの顔をみて目を見開いた。あの頬は…
「鬼殺隊階級甲。鱗滝錆兎です」
そいつの頬には、あいつとそっくりな傷があった。しばらくその傷をみて俺は固まってしまった。あまりにもそっくりすぎて、驚いてしまったのだ。そして一瞬にしてわかった。
こいつが、Aの好いている男だと。
俺は覚えていた。愛おしそうに自分の傷がついた頬を撫でていたことに。俺は勘は鋭いからな。
「?…俺の顔に何かついてますか?」
へえ、こいつが。俺はジロジロ頭の先からつま先まで見つめた。髪色や頬の傷も確かに派手だ。
「いや…音柱宇髄天元だ」
Aが惚れた男だ。お手並み拝見といこうじゃねえか。
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❤︎ - 面白かったです〜!!!最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜!!何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです!待ってますね。 (8月24日 21時) (レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!!!!!!! (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き!続きはどこ?!ねぇ?!((やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます!! (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり!?更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作成日時:2019年11月17日 20時