とある日常の朝餉 ページ3
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俺の朝は早い。
学校の始まる、午前八時四十分の三時間ほど前……午前五時丁度には 心地よい夢の世界から旅立っているのである――最も、最近夢を見れてはいないのだけれど――。
顔を洗って歯を磨き、鏡を見ながら 右目には眼帯を結びつける。
……この習慣にも随分と慣れたものだ。
中学時代は前髪で隠していた右目だったが、如何せん動くようになったので露見する機会が増えた。
それで眼帯にしたはいいものの、逆に尋ねられるのも飽き飽きだ。
ただ幼少期に負った、酷い火傷を隠しているだけ。面白みなどない。本当にそれだけである。
閑話休題。
そうこうしている間に俺はジャージに着替え、階段を降りて寮から出た。
朝の冷たい空気を肺いっぱいに吸い込む。俺の習慣の一つ、朝のランニングだ。
時折パルクールも交え、外周をおよそ三十分。これが中々良いトレーニングで、割と体力も付いてきた。
さて、ランニングを終え シャワーを浴びた俺の次の仕事は朝食作り。
時刻は六時。いい頃合いだろう、準備の前に 未だ暖かな夢で微睡む相方――カズハを起こしに向かう。
｢ カズハ、起きて。六時。今日は二人で飯作るって言ったでしょ ｣
んむぅ、だか あと五分、だか唸る毛布を無理やり奪い 目を擦るカズハをそのまま洗面所へと向かわせた。
その間、本日の材料を冷蔵庫から取り出す。
先日二人でテレビを観ていたとき、珍しくカズハが 美味しそうだなぁ、なんて呟いたものだから 作ってみようとメモしたレシピはスフレパンケーキだ。
少し塩辛いものを添えれば、まあ朝食にもアリだろうということで決行。
普段は和食が多いので、いい気分転換にもなるだろう。
｢ 焉は俺と違って手際がいいよなぁ…… ｣
いつ帰ってきたのか、少し眠たげな目をしたカズハが 台所に手を付きながら声をかけてきた。
見てたなら手伝ってよね、と小突いて腕を捲った。
｢ さて、まずは生地作りから。カズハ、卵黄に薄力粉入れて混ぜて。俺は卵白と砂糖混ぜるよ ｣
了解、と言ってカズハは作業を進める。
混ぜるうちに楽しくなってきたのか、小さく歌を口ずさみ始めた。
……相変わらず歌が上手いことだ。
俺も釣られて鼻歌を歌っていると、柔らかく目を細めているカズハと目が合う。
気恥ずかしくなった俺は ふい、と目を逸らした。
カズハは声を漏らして笑った。
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かいむ(プロフ) - kohakuさん» こちらこそありがとうございます〜！素敵に書けていたのなら何よりです(´∀`) (2020年11月24日 1時) (
レス) id: ef482f72f1 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - ﾄｷの珈琲好きを拾って頂き有難うございます！素敵な1杯でした！ (2020年11月23日 16時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
かいむ(プロフ) - 紙絵師さん» 良かったです〜！こちらこそありがとうございました(´∀`) (2020年11月23日 12時) (レス) id: ef482f72f1 (このIDを非表示/違反報告)
紙絵師(プロフ) - ちょ〜いいっす最高っす…！あざます！ (2020年11月23日 11時) (レス) id: b43ef54b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かいむ | 作成日時：2020年11月22日 14時
