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「じゃあ、お願いします」

俺が保健室に着いたのと

相葉がドアを開けて出てくるのはほぼ同時だった。

「あのっ、翔は!?」

いきなり俺に話しかけられた相葉は少し驚いたような顔をして

でもその後、すぐににこやかに笑って

「ええっと、貧血で倒れたみたいだよ?」

と言った。

「ところで君って転校生の──」

俺は相葉の話を無視して保健室に入って行き

断りもなしにベッドのカーテンを開けた。

そこにはシャツを脱ぎかけていた翔の姿。

「あれ、潤?何してんの?」

「それはこっちのセリフだ。お前こそ何してたんだ、男子サッカーに混じって」

「げ、見てたんだ、潤の変態!」

今この状況下で言うことじゃないだろ。

「いやぁ、運動オンチの俺でも混じって結構できてたからさ、調子乗って頑張りすぎたら倒れちゃった」

「倒れちゃった、じゃねーよ。お前運動しなくても夏になると倒れるんだから」

翔は砂で汚れたシャツを全部脱ぎ切って

俺の出したタオルで汗を拭いた。

あちこち擦りむいていたから絆創膏を貼って。

保健室で休むかと聞いたところ

大したことないから教室に戻るらしく

裸のままで廊下に出ていこうとするから

慌てて俺のジャージを被せた。


廊下には相葉の姿は既に無く

「ところでお前教室どこか知ってる?」

「適当に行けば着くだろ」

俺たちは迷子になった。




「運んで来てくれた人、C組の相葉ってやつだろ?ちゃんとお礼言っとけよ」

「うん」

俺のジャージは翔にはぶかぶかで

半端に閉められた前のチャックから

白い首筋と鎖骨が覗いていた。

廊下ですれ違う男子共が、翔の姿を見ては冷やかすように口笛を吹く。

前の学校でもそうだったが、翔は男子から人気が高いようだ。

確かにそこら辺の女子よりはよっぽど可愛いのかもしれない。

それを自覚してないこの鈍感馬鹿は……

「チッ…」

俺は翔に向き直ると、すれ違った男二人を睨みつけながら

ジャージのチャックを一気に上げた。

「ぐほぁっ、ちょ、潤、苦しいって!」

顎の上まで襟を引き上げて

ぐい、と顔を近づける。

「お前、迷惑。まじ迷惑」

「はぁ!?今迷惑なのはお前だよ!はーなーせー!苦しいんだよ!」

「いろいろ迷惑まじで」

「離せってばー!ぶっ飛ばす!」



結局、校内をさまよって

五時限目には遅刻した



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設定タグ:S受け , バンビズ , 潤翔   
作品ジャンル:タレント
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作者名:カフネ | 作成日時:2019年2月16日 13時

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