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ダダダダダダダダダ!
翔ちゃんの写真を送ったら
ものすごい勢いで階段を駆け下りてきた潤兄。
ホント、翔ちゃんのことになると一生懸命よね〜
玄関でパシッと捕まえて
「どこ行くの、潤兄?」
にこにこ笑いながらあえて意地悪な質問をする。
「え、あ、ちょっとコンビニへ……」
「何をそんなに慌てていく必要があるのかしら〜」
お母さんまで出てきちゃった
そう、たった約三十分前、潤兄がまだ寝ていた頃
私のお母さんが翔ちゃんを連れてきたのだ。
せっかく今のクラスの子たちと初めて遊びに行くのだから
可愛らしい浴衣を着せてあげましょう
ということだった。
潤兄はきっと翔ちゃんのために遠慮して
夏祭りに行くことをやめたんだと思うけど
翔ちゃんは潤兄に来て欲しいに決まってる。
だから翔ちゃんにお願いして、友達との写真を送ってねって頼んでおいた。
浴衣姿の翔ちゃんを見てデレデレにならない男はいないわけだし
潤兄もきっと嫉妬して
夏祭りに追いかけに行くに違いない。
「お袋!?いつの間に帰ってきてたの?」
驚く潤兄の服を引っ張って
玄関からクローゼットへGO!
「え?何これまじで!どこ連れてくんだよ?」
任せてよ、潤兄!浴衣に着替えさせてあげる!
「ちょっと、なんで脱がす!?おい、何すんだよ、俺はコンビニ行くだけだっつーの!」
「「はいはい、わかってま〜す」」
翔ちゃんを守れるのは潤兄しかいないんだから
さっさと着替えてよね!
夏祭りに行きたいんでしょう?
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作者名:カフネ | 作成日時:2019年2月16日 13時