Tear drop tear １【Ｊ×Ｓ】 (ページ27)

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１４二人の勉強会（2）ページ27

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「潤兄おかえり」

図書館から帰ると玄関には鍵がかかっていて

妹の霞と霈が迎え入れてくれる

そのことが今日、家に母がいないことを告げていた

１４二人の勉強会(2)
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「ちゃんと勉強してきたの～？イチャイチャばかりしてたんじゃないよね～？」

このガキンチョどもは……やれやれ

「うっせーな、猛勉強してきたし」

「えぇ～残念」

「でもその言い方わざとっぽいぃ～」

まとわりついてくる奴らを振りほどいて

さっさとシャワーを浴びて寝ようと思ったのに

まるで待ち構えていたようにリビングにいた二人に

再び捕まってしまった。

「あ、そうだニュース見た？智兄もうすぐ日本に帰ってくるんだって！」

「え、まじで？」

智兄と言うのは

翔の血の繋がっていない年の離れた兄貴で

今はロサンゼルスで大野智という名前でアーティスト活動をしていたはず

「なんかね、東京で展覧会を開催するらしくて」

ここ数年で急激に売れ始めた智兄は

今もっともメディアが情報を求めているアーティストで

今回の帰国も、最早帰国と言うよりは来日なんじゃと言いたくなるほどの規模だ

「へぇ、翔も喜ぶだろうな」

あいつは智兄のことが大好きだから

「潤兄、翔ちゃんのことばっかり～」

「いやらしぃ～」

イラッ───

。
。松本潤家ではＴシャツ一枚
。

「つーかーれーたー」

ボフッとベッドにダイブする

あのクソガキどものおかげで疲労感二倍！

余計なお世話だっつうの…！

「………」

そう、あの後は流石に勉強に集中した

何が『残念～』だよ

図書館で勉強して悪いかよクソ

普通に勉強して

普通に帰ってきた

普通に触れて

当たり前のように触れられて

当たり前のように笑って

この当たり前の一緒が

翔の望む一緒だろうなーと

いつもと変わらないあいつを見ているとわかる

………別に何か期待してたわけじゃねえけどな！

智兄が帰ってきたらきっと

翔のやつは大喜びするんだろう

俺には普段見せないくらいの笑顔で

智兄に飛びつくんだろう

「耐えられっかな……」

俺は少し智兄が苦手だ

それが尊敬や憧れだということを知っていても

翔が俺以外に無邪気に笑うところを見たくない

結局は智兄には勝てっこないし

子供じみた嫉妬だってわかってるけど

それか他に

翔が誰かと触れ合うことにときめいて

心から一緒にいたいと思えるやつができたら

「いや……ないない」

あいつまだガキだし

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