【暗殺教室】放課後、月のカフェで５ (ページ46)

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異常事態が起こっても…人類の宿敵みたいな、危険な超生物は、あの場所に閉じ込められてる。何をどうしたってあの場所からは離れられないし、爆発する予定の前の日には絶対に死ぬことになってるから。…地球は、私たちは絶対に大丈夫なんだって、世界中の偉い人たちが言ったから。
私たちは、混乱はもちろんあるけども、安心していつも通りの生活をするしかなかった。
世界がまるごと変わったみたいな衝撃が走ったあの日。その次の日から、無理やりにでもいつも通りに戻すしかなかった。

かるまくんのクラスの子たち、暗殺が終わるまでは国の保護下に置かれることになったんだ…って。連絡が途絶えちゃったかるまくんのおうちに行ってみた時に、防衛省の…かるまくんのクラスの子たちとちょっとだけ関わったことがあるっていう、園川さんから、そういう話を聞いた。
お姉さんですか、かるまくんだけご家族となかなか連絡が取れなくて困っていたんですー、って、ものすごく勘違いされちゃったけども…まあいいか…いいのかな？

それ、かるまくんたちの意思に、沿ったことなのかな。
『保護』って、かるまくんたちのためにやってる、みたいに言うけど。かるまくんたちは、それでいいのかな…。納得できてるのかな。園川さんはものすごく忙しそうで、とにかくかるまくんは大丈夫だよっていう話しを終えたらすぐに帰っちゃったから、そんな質問はできなかったけども。
少なくとも、私が見たかるまくんたちは、身の安全と、安心を脅かされて…中学校の貴重な1年間を奪われた可哀想な子どもたち、なんかじゃなかったと思う。

かるまくんは、負けない、って言ってた。負けたく、なかったんだと思うし、今も、負けたくないんじゃないかな…。かるまくんから聞く分には、すごくいいクラスで、いい先生みたいだった。かるまくんたちは、楽しい時間をたくさん過ごしてるんだって思った。

大人たちが勝手に準備して、勝手に、最後に生徒と先生がお話しすることすら許さないで殺しちゃうのは、かるまくんたちが今まで頑張ったことを全部、先生と過ごした時間の全部を、踏みにじっちゃうこと、なんじゃない…かな。

…ただの女子高生の私が何を言っても、国の、大人たちの方針は変えられない。どんな風に声を上げたって、ちょっと残念な頭の女の子、で終わっちゃうんだろうな。悔しいな…。私にも何かができたら、かるまくんがしたいことを、したいように、できるように…そんな力が、あったらよかったのになぁ。

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