【暗殺教室】放課後、月のカフェで２ (ページ6)

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ほっぺを弄るわけでもなく、するりとあっけなく離れた体温。私が状況を把握するよりも先に背を向けてしまった彼に…またね、と返すことすらできなかった。
体が熱い。胸のあたりがなんかもう、すごい痛いし、心臓の音が異常にうるさい。風邪かな…風邪かも、うん、これ風邪だ。絶対に風邪ひいた、今ひいた。すごい風邪ひいた…！

「…な、なにいまの…」

いやいや、わかんない。考えてもわかんない。なに？揶揄われたの？どういうこと？帰るならちゃんと説明してから帰って欲しいんだけど…。ほんとにかるまくんなんなの！？

「…っていうか、結局わかりやすいってなにがなの…！？」

それでもってかるまくんの好きな子って、誰なの…？かるまくんは好きじゃない子にも、こんなことするの…？それとも…。
言葉にしなきゃわかんないことってたくさんある、みたいな話、前にしたと思うんだよね。これは特大のブーメランが自分にも突き刺さるわけだけども…。
…願掛けとか、したいな。なんでもいい。ほんのちょっと、勇気が欲しいだけだから、形だけでいいの…。例えばほら。期末テストで、ひとつも赤点を取らずに夏休みを迎えられたら願掛け成功、なんていうのはどうでしょう。

「ってことはAから告白するんだ？」
「だって…それ以外にどうしろっていうのー」

かるまくんは待ってても振り向いてくれないと思う。…例えば、彼女たちの予想と私の願望の通り、私のことが好きだったとしても…なんかね、好きとは言ってくれない気がするんだもん…。ちゃんと言葉にして伝えなきゃ、私の気持ちは伝わらないよねって。いろいろ考えて、改めて思ったの。

「はいはい。口尖らせんのやめな、可愛いから」

それ、まだ続いてたんだね。

「場所は？タイミングは？なんて言うの？」
「…まだ考えてない」

願掛けが成功してから考える…じゃ、だめ？

「A…アンタこういうとこでもふわふわしてるんだね」
「流石はわたあめのA。ふわっふわだね」
「そんな変な二つ名をつけられた覚えはないけどね」

知らないの？じゃなくて。つけられた覚えがないって本人が言ってるんだからそんなものないの。

「考えてるうちに願掛けの効果が切れても知らないからね」
「え…」

願掛けの効果って、持続時間とかあるの？
でもまあ確かに、早くしなきゃせっかく決めた覚悟が揺らいじゃいそうではあるかな…。テスト対策に加えてどうやって伝えるのかも考えるってこと？なんか、パンクしちゃいそう。