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前にも似たようなこと言ったでしょ、だってさ。
顔が見えなくても、いいかなぁ…。たぶん、ちょっぴり照れ屋さんであんまり素直じゃないかるまくんが、私のためにこうして気持ちを言葉にしてくれた。その事実だけでじゅうぶん。
「なにそれ。…まあ、貝殻拾いのプロよりは嬉しいかもね」
「ふふ。そろそろかき氷食べにいこっか〜」
「りょーかい」
「うわ〜！なにこれっ！ね、見て、見て！すごいね！！」
「あー、うん…超見えてる」
テーブルに運ばれてきたかき氷。めっちゃ、なんか…すごいねこれ。遠目から見てもインパクトすごかったけど、近くで見たら想像の倍すごい！
カラフルなフルーツ、混ざらないように放射状にかけられたいろんな味のソース、そして、てっぺんのまっしろなソフトクリーム。うん、スペシャル！ってかんじ。
「あ。…えへ…ありがとうございます。いただきまーす」
きっとアルバイト中であろうかき氷を運んでくれたお兄さんに、ばっちり見られながらちょっとはしゃいじゃった。なんか恥ずかしいな。かるまくんが若干…ほんのちょーっとだけ、引いてる風の態度取るから余計にね！でも、ほんとにすごい。
とっても感動した、ってことにしておいてください。笑って誤魔化して、お礼を言っておいた。うまく誤魔化せてるといいな…。
「はしゃぎすぎでしょ」
お兄さんが離れたタイミングを見計らったみたいにふっと吹き出す。
「こ、これはテンション上がるでしょ！？っていうか、あの、お兄さんが見てるならそう言ってくれたらいいのに…！」
そうだ、かるまくんがそれとなーく、落ち着いてって伝えてくれたら、ここまで恥ずかしい思いはせずに済んだと思う。うん、絶対にそう、たぶん絶対。かるまくんのせいにしつつスプーンを手に取る。
「あはっ、ごっめーん」
なぁに、その語尾にお星さまでも付きそうなきゅぴっとしたトーンのごめん。君に一切謝るつもりなくて、面白がってるのが伝わってくるよー？ほんとに楽しそうだね。…いいけども…。
「…んー、もう…過ぎたことは良し、仕方ないから許します。溶けちゃうから食べよ！いただきます。かるまくんは何食べたいー？」
果物は平和に、食べたいのを交互に指名しながら食べていく。ソフトクリームと果物に埋もれてて気づけなかったけど、氷も結構すごい。あとソフトクリームが、また今度単体で食べたいくらいに美味しい。
「Aちゃんってさぁ、甘党の割に煮オレシリーズには絶対手付けないよね」
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作者名：nano* | 作成日時：2021年9月14日 21時
