【暗殺教室】放課後、月のカフェで２ (ページ40)

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綺麗な青い空に、白い雲、眩しすぎるくらい眩しい太陽。砂浜に打ち寄せる波。絵に描いたみたいな夏の光景だ。

「お、お待たせしました…？」

何故かちょっともじもじしながら俺の目の前にやってきたAちゃんに思わず固まる。
ちょっと、とか、何かリアクションしてくれなきゃ恥ずかしいじゃんとか。だんだん顔が赤くなっていく。

「も、もう…ねえ、聞いてる？そろそろ死ぬと思うんだけど！何も言わないなら見ないでください」

真っ赤になった顔で、ちょっと拗ねたみたいに口を尖らせて俺の目の前で視線を別の場所に誘導するみたいに人差し指をふわふわ動かす。

「…それ、俺に見せようと思って買ったんだ？」
「その言い方はなんかやだ…！ゆきちゃんがえらんでくれて、かわいいっていわれたから買ったのー」

どんな人なのか知らないけど、Aちゃんの友だちに密かに感謝しておくことにした。
俺はきっと何を着てても、可愛いって思っちゃうんだろうけど。色も柄も、優しくて元気なAちゃんに合ってる。

「…似合ってるよ」
「なんで苦笑い気味！？ほんとに思ってる！？」

完敗だから。ほんっと…Aちゃんには敵わない。

「思ってる思ってる。可愛い」
「…あ、ありがと…？」

可愛い、ってホントに言われ慣れてないんだ。Aちゃんを照れさせる魔法の言葉…俺以外の奴に言われても似たような反応してるっていうのだけが、どうにもいただけないけど。

「…行こ？」

まだ予想以上だった水着の破壊力に当てられちゃってる俺の左手の指先をちょんって引っ張って首を傾げる。何への遠慮？

「わ」

俺のものよりひと回り小さい手をしっかり握り返して、軽く引いたらびっくりしたみたいな声を出す。手を繋ぐのも恥ずかしいとか、言わないでよね。そこまでなにもできなかったら流石の俺も我慢できないから。

爪先をちょっと水に浸けただけで楽しそうにするから。どこに行っても楽しめると思うっていうのもホントだったりして。